2016年10月15日土曜日

半澤鶴子の“一期一会の茶事行脚”


平成28年夏に放送されたETV特集「女ひとり 70歳の茶事行脚」は、千を超える反響がありました。

半澤鶴子さんは出張茶事専門の料理人として全国に出向いて茶事を行っています。

「茶事の神髄を極めたい」と、70歳で茶道具などを積み込んだ車を運転してひとり全国に出向き、旅先で出会った人を茶事でもてなします。

山あいの茶室や琵琶湖岸のお堂、河畔の雪原で地元の人と一期一会の茶事を重ねます。

京都の古刹で禅師を客として迎えた茶事では、老師から「花一輪に飼いならされて」という言葉に深く頷きます。

人が人と出会うとは?もてなすとは?そして人生を生きるとは?半澤さんに、茶事行脚を通して見えてきた人生の機微を伺います。

半澤鶴子:
1943年満州生まれ。20代は幼稚園勤務。
子育てを終え日本料理を修業、茶家に出向く出張茶事に専念。全国の名家の慶事等に出向。
1989年千葉県東金市で「鶴の茶寮」を主宰、茶事実習会や和菓子講習会等を主催。 
半澤さんより「受講者の皆様にわかりやすく茶事というものを簡単に説明し、その必然として今日まで残ってきた背景などに触れながらお話を進めます。
日本の国が四季に恵まれた美しい国であり、日々の食を豊かにし、日本人のアイデンティティもその恩恵なくしては生まれてこなかったであろうなど、歴史の途上を受け持つ私たちが日本という国の素晴らしさをもっと認識していただけるような内容にしたく存じます」


表千家、裏千家、なかなか尊敬できる師匠に巡り会えません。
女性教授による男女差別など時代錯誤でとても、気分悪いです。
半澤鶴子さんのような、本質を求める茶人が必要ですね。

2016年10月12日水曜日

お茶事でお酒の飲めない人はどのようにお断りしたらよろしいでしょうか。

お茶事でお酒の飲めない人はどのようにお断りしたらよろしいでしょうか。


お酒は気分を和ますものですが、時として「礼に始まって、乱れて終わる」ともいわれます。

亭主の好意は受けつつも、お酒の苦手な方は無理に飲まなくてよいでしょう。

亭主は客組の際、どのお客がお酒が好きか苦手か存じているはずです。

最近、石盃を持ち出したりしますが、行き過ぎると宴会になりかねません。

あくまでも濃茶をいただくための懐石の中のお酒です。

どういう心構えで花を入れたらよいか。

夏の暑さが厳しかったせいか、庭の草花の中には傷んでしまったものもあり、一輪の花を入れる際にも「あの花があれば、この花が使えたのに…」とあれこれ迷いました。
このような時、どういう心構え(気持ち)で花を入れたらよろしいでしょうか。


利休居士が「花は野の花のように」と仰っておられますが、村田珠光は「野山に生はえたる草木の体ていを学びて みぐるしきをきらう」と示されたそうです。

去年咲かなかった花が今年は庭先の蔭に一輪ひっそりと咲いた体ていをみつけた時の喜びと感動は言い表せません。

花との出会い、これはお人、お道具と同じことです。

一会の気持ちで臨まれたら如何でしょうか。

中置の点前は小間の席ではしない理由



中置の点前は小間の席ではしないとお聞きしましたが、何故でしょうか。

実際に小間の席で点前をされるとお分かりいただけますが、これは点前座の空間が狭くなるからです。

中置は四畳半以上の広間の席の点前ですが、本仕舞で仕舞いつけます。

風炉濃茶点前の時、茶を入れた後、水一杓を釜に差してから茶碗に湯を注ぐ理由。



風炉濃茶点前の時、茶碗に茶を入れ、水指の蓋を開け、次に水一杓を釜に差してから茶碗に湯を注ぎますが、これはなぜでしょうか。点前の上での決まり事というだけでしょうか。


前年5月に摘み取られた葉茶は、10月頃まで茶壷に「寝かせて」熟成させます。

11月の開炉の時季には茶の香気が強く保たれていますが、5月の風炉の頃になると色香も次第に薄くなります。

そこに沸き立っている湯を入れると茶の香気が抜けてしまいますので、風炉の季節には釜に水を一杓汲み入れて湯相を軟らかくし、茶の「うまみ」を損なわないようにします。

席中での禁句や話してはいけない内容。

席中での禁句や話してはいけない内容等がありますか?


正客になると何を話して良いのか悪いのか迷いますね。

利休居士の弟子が書き残した『山上宗二記』の中に「我仏 隣の宝 聟むこ舅しゅうと天下の軍いくさ人の善よし悪あし」(連歌師 牡丹花肖柏)という狂歌があります。

一期一会の心で茶会に臨むわけですから、席中で俗世の世間雑談などをするのは遠慮すべきです。

玄々斎宗匠も“稽古之席掟”に、「一、雑談有之間敷事」と定められており、世事(世間)雑談を禁じられています。

しかし、あまり固く考えられますと、ますます何を話して良いのやらとなります。

招かれた感謝の気持ちがあれば自然と会話は出来るものです。

その場の雰囲気を損なわないことを念頭に楽しまれてください。

釜の正面の決め方。



釜に花押や文字が鋳込まれている時、釜の正面はどのように決めたら宜しいでしょうか。


釜の文字が鋳込みになっているものは、その文字を正面にします。

文字が釜の正面、向こうと両方にある場合は、書きはじめを正面とします。

例えば、龍宝山と大徳寺とありましたら龍宝山を手前にし大徳寺を向こうにします。

花押だけならそれを手前にし、文字と花押であれば文字を手前に花押を向こうにします。

絵と花押なら絵を手前に花押を向こうにします。

因みに、蓋に文字がある場合は読む位置を自分の方に向けます。

蓋の摘みが動物であれば自分の方に向けます。

大炉とはどのようなものでしょうか。



二月に大炉を開くとお聞きしましたが、大炉とはどのようなものでしょうか。


大炉とは裏千家独自のもので、十一代玄々斎が田舎家の囲炉裏から創案されました。

咄々斎の次の間六畳に逆勝手で切られており、二月の厳寒の時期にのみ炉を開きます。

普通の炉は、一尺四寸(約42.4cm)四方ですが、大炉は一尺八寸(約54.5cm)四方と大きいことから、大炉と名付けられました。

炉に向かって右手前寄りに五徳を据え、反対側の左向こう隅に雪の結晶の形をした雪輪瓦を立てて灰仕切りをします。

炉縁は木地を用い、炉壇はねずみ色に仕上げます。

炭の熱や大振りの釜から立ち昇る湯気で部屋を暖め、お客様に寛いでいただくために考案されました。

「風炉の敷板を小間据えに置く時」という時の「小間据え」とは。

茶道口で一礼し、一歩踏み込んだ畳に風炉を据えることを小間据えといいます。

畳一畳の時は向こうから六寸、十二目に敷板を置き、勝手付から七~九目空けます。

因みに、台目畳の場合は、向こうから四寸空けて据えます。








お家元の正月茶を、“初釜式”と称される理由。

なぜお家元の正月茶を、“初釜式”と称されるのでしょうか。


エッセイ『昨日のように今日があり』にもありますが、初釜式は宗家の咄々斎と名付けられた茶室で行います。

初釜式で濃茶を練らせていただくことは、浮つきがちになる日頃の視線をもう一度自分の源に向ける機会であります。

この場で点前座に向うとき、私はこれをもてなしとしてではなく、歴代宗匠方の前で今年初めての“亭主の稽古”をさせていただいているのだと思っています。

そして、その席にお招きした社中の方々には、“お客様役”を学んでいただいているのだと感じていただきたい。

つまり、共にこのひとときはお互いの“稽古始め”なのです。

それだからこそ、家元での正月茶を“初釜式”と言い慣わしているのです

茶入の蓋に象牙を用いる意味、また蓋裏に金箔を貼る意味

茶入の蓋に象牙を用いる意味、また蓋裏に金箔を貼る意味をお教え下さい。


昔の中国の言い伝えに「象牙を毒物に近づけると自然に割れる」というのがありました。

実際に割れることはないと思いますが、そのために茶入の蓋に象牙を用いたという説があります。

実際、象牙の蓋の裏に金箔が貼られるのも、金箔と銀箔の両方とも毒気が近づくと箔が変色することから貼られていると文献にも出ております。

加えて、象牙の蓋は当時からとても貴重な品で、中国でもインドやタイなどから輸入しなければ手に入りませんでした。

そういうことで茶入の蓋には貴重な象牙を使い、なおかつ金箔・銀箔を貼ったのです。

蓋裏に銀箔が貼られた茶入は珍しいと思われるかもしれませんが、中興名物でいいますと、広沢手の茶入はそのようになっています。

これは、広沢の池は月が有名ですから、月を映すという意味から銀箔が貼られていると言われております。

広沢手の本歌は京都の北村美術館にあります。

2016年10月11日火曜日

薄茶の席で二種類の干菓子を出す理由

薄茶の席で二種類の干菓子を出すのは何故ですか。


景色として一つは打もの、一つは有平糖を合わせて変化を出します。

濃茶席に対して薄茶席は気楽に楽しくゆっくりして下さいという思いを込めて懸けられます。

濃茶があって薄茶があるというのが本来です。

薄茶なら薄茶だけを考えるから難しくなる訳で、濃茶に対してどうぞお楽にお過ごし下さいということでおもてなしをします。

目を楽しませる意味でも、打ちものと有平糖を一種類ずつ組み合わせてお出しするのは、亭主の心入れです。

濃茶で、飲み回しをする理由

濃茶では、なぜ飲み回しをするのでしょうか。


今も昔も一期一会を建立するために心入れのお茶を吟味しておもてなしをすることには変わりがありません。

この貴重なお茶を皆で有り難く分かち合うということが、すなわち感謝の心を表すことになり、相互の信頼関係があってこそ一座建立にもつながる訳です。

同時に、濃茶を練る前に行なわれる炭手前も、今から練られるたった一碗に合わせて火の勢いなどが調整されるのです。

炭を置かれる方も、炭をつがれる方もその思いをもって炭手前をなさってください。

そのような様々な要素が絡みあって“ようやく出会える一碗だ”ということで飲み回しをするのです。

「鏡柄杓」の意味。

居前に座り柄杓を取り「鏡柄杓」をしますが、

これから一碗のお茶を点てるべく自分の「心」と身体の「構え」を整えるという意味で鏡柄杓をします。

宗家の大水屋に玄々斎が書かれた「稽古の席掟」が有ります。

その中に「着坐運付とも体の備へ並に呼吸の考第一の事」としたためられています。

点前に対する一貫した御教示ですが、まさに鏡柄杓こそ、この一点、瞬間ではないでしょうか。

どうぞ鏡柄杓、充分にお稽古なさって大切にして下さい。

棚を用いて点前をした時、湯返しの意味



棚を用いて点前をした時、なぜ湯返しをするのでしょうか。

棚を用いた場合、「湯返しをして柄杓の合の乾きをよくするのです」と覚えてしまいがちですが、棚の根本は台子にあると考えて下さい。

台子地板の中に風炉、釜、水指、杓立、建水、蓋置、そして杓立には火箸、差し通しの柄杓が荘られます。

これを総荘といいますが、この杓立に柄杓を戻す時、露を切る意味で湯返しをします。

その姿があると思っていただいて結構です。

普通の棚の場合は台子・長板に準じて荘る、荘らないにかかわらず湯返しをします。

ただし、小間に仕付けられた仕付棚、あるいは地板のない寒雲棚、寒雲卓、猿臂棚等、畳に直に水指を置く侘びた運びの点前では、棚に柄杓を荘る時でも湯返しはしません。

2016年10月10日月曜日

茶席に入れてはいけない禁花

茶席に入れてはいけない禁花があるとお聞きしましたが、どのような花を指すのでしょうか。


南方録の覚書の内に
  花生はないけにいけぬ花、狂哥(歌)に、
  花入に入さる花ハちんちやうけ(沈丁花)
  太山みやましきミ(樒)にけいとう(鶏頭)の花
  女郎花さくろ(柘榴)かうほね(香骨)金銭花(金盞花)
  せんれいそう花をも嫌きらう也けり
と具体的な禁花が挙げられています。

しかし、これは絶対的なものではなく、時代により、また茶人の好みによって移り変わっていくものではないでしょうか。

花の名前、音の響きや文字、または四季のうつろいを感じさせないもの、強い香りがあるとか、毒々しい色彩のあるものは避けましょうということです。

花の四清同しせいどうにある如く、青竹の清きを切り、清き水を張り、清き心をもって、清き花を入れることが大切です。

電熱式の炉・風炉を使う場合の香合の扱い

電熱式の炉・風炉を使う場合も、香合を荘り、会記にも記入するのでしょうか。


香合を荘る主旨は「炭手前をしてお茶を差し上げるところですが省略させて頂きます」との亭主の気持ちの表れです。

したがって、電熱式のため炭手前は当然ありませんので香合はいらないかもしれませんが、一つの趣向として香合を床に荘ってもいいのではないかと思います。

「荘りなさい」とか「荘ってはいけません」ではなく、あくまでその時の亭主の心入れで荘る、荘らないを決めていただいたらと思います。

大寄せの茶会などでの、茶入釜、茶入、水指の拝見順

大寄せの茶会などで、最初から茶入、水指が荘ってある場合、釜、茶入、水指いずれから拝見すべきでしょうか。


茶事と違い茶会ですので、まずは釜から拝見します。

その時、同時に荘ってある物があったとしても、本来は釜しかない状態が標準な訳ですから、釜から拝見して下さい。

2016年10月9日日曜日

竹の茶杓を使うようになった理由

茶杓は象牙から始まったとのことですが、竹の茶杓を使うようになった。


これは珠光・紹鴎・利休と茶道というものの姿が徐々に見えだした時代に変わっていきました。

それまで全て中国風だったものを日本風に変えていこうとして、例えば台子を外した点前になり、皆具も使わなくなり、天目茶碗が国焼の茶碗になり、花入も唐銅から竹の物になったりと侘茶の姿を模索する中で変化が生じました。

その中で象牙の茶杓も竹のものへと姿を変えていったわけです。

茶杓が何故、象牙から竹に変わったかというよりも、侘茶が生まれてくる過程で全ての道具が日本風に変わっていったということです。

2016年10月8日土曜日

茶筅通しの意味

茶筅通しは、“その席中のお湯に慣らす”ということです。

例えば、皆さんが入浴される場合、お湯の温度も確かめずに突然湯船に入るような方はいらっしゃらないでしょう。

茶筅は予め水屋で穂先が折れていないかを確かめ、次に軽く水にくぐらせ清め茶碗に仕組みますが、席中のお湯に出会うのは点前座が初めてです。

ですから、最初の茶筅通しはそのお湯に出会わすことによって準備運動として身をほぐしてあげるということです。

茶筅通しの際、いきなり茶筅を強く振る方がいますが、それはよくありません。

最初は軽くサラサラとお湯に馴染ませればよいのです。

そして、今一度、客の前で穂先に粗相がないかを確かめます。

戻ってきた茶碗はおしまいの挨拶をして、その時に水で茶筅通しをします。

この時は茶筅の穂先に付いたお茶を落とすようにして振ります。

最初の茶筅通しと、後の茶筅通しの意味の違いをしっかりと理解して下さい。

2016年10月7日金曜日

棚に荘る時、蓋置は必ず扱って荘る理由


棚に荘る時、棗は一手で荘りますが、蓋置は必ず扱って荘るのはどのような理由があるのでしょうか。

台子総荘りの皆具の扱いが基本です。それ故、皆具の建水から蓋置を取り出す時の扱いがそのまま棚点前でも略されることはありません。

帛紗の四方捌きの意味

帛紗の四方を捌くのは、陰陽でいうところの東西南北を清めるということです。

台子の中に、天板、地板で乾坤があり、柱が四本で、東西南北春夏秋冬になります。

そこに全部陰陽五行が入っていて火の卦があり、水の卦があり、木の卦があり、金の卦がありすべてがあります。

その前に座り四方を捌くのは、東西南北の方位を清め、春夏秋冬一年を清めると思っていただければよいでしょう。

2016年10月6日木曜日

表千家 炉 薄茶 運び 注意点

水屋仕事 運び

- 襖は、右手で3/2開けて左手で開ける。左手で3/2閉めて、右手で閉める。

- 半畳三歩で。

- 柄杓置くとき、掌で支える。

- 建水は、まず膝横に置く。
  最後、勝手付に配置するように、三角形に移動。
  建水置く位置、勝手付、少しかかる位置に移動。

- 勝手付きに茶碗置くとき、左手で置く。
  替茶碗などの時、建水があるので、右手で置く。

- お茶碗持つとき、親指入れない。

- 棚は畳16目に置く。水指はその内側。

- 水指の水は八分目で準備。やかんで足す時は、七分目に。

点前

- 茶杓拭く時、戻す。上で抜かない。
  茶杓はかい先下に向けてふく。

- ふたを蓋置に乗せるとき、炉の隅をさけて前から遠回り。

- 蓋置は、正面を親指で持って、体と平行に。

- 抹茶は、茶碗の下の方で2匙入れる。

- 棗は、抹茶を入れたら、膝上に戻し、息がかからないようにして茶杓で抹茶を混ぜる。

-

- 柄杓の向き、空の時真横にして動かす。

- 底から掬って、半分or8分目に減らしながら、上げて、注ぐ。

- 足は土つまず擦って歩く。

- 水指やかんは手なりに置く。→ 斜めに。

- 茶巾は、絞った後軽く戻して広げて、3辺を時計回りに整える。

-

- 蓋を置く時、炉角を正面に斜めに置く。

- 袱紗置くのは、必ず膝横。

- 帛紗を建水のうしろに仮置きした後、茶巾を手なりに蓋の上に。

- 濃茶・薄茶共風炉のお点前では(柄杓を用いる場合は全て)抹茶を入れた後は水指の蓋を開けておく。

- 釜の蓋閉めた後、続けて水差しの蓋も閉める。

- 風炉の時期、本勝手のお茶室であれば、通常、点前座の右に水指、左に風炉を置きます。
小間(四畳半以下)の小間の席、台子や長板などの棚を使った場合、逆勝手の場合、本じまい。
広間(四畳半以上・つまり、四畳半は小間であり広間でもある)の場合、本じまい、中じまい、両方することができる。席主の判断による。


- 茶碗の移動は、自分の前を横切る時は、三手で移動させる。

- 右手で棗を取る時、人差し指伸ばして半月

-

- 茶碗、蓋など必ず、手前で、持ち替える

棚飾り

- 棚飾りで、蓋置は、1/3 と1/3の交差する場所に飾る。

拝見

-お棗は、いつも膝に近い方に置く。

表千家 お免状、相伝の費用と内容

種類   申請料   修行期間

入門   5,000円
習事   10,000円  1年 (前の許状取得後)
飾り物  10,000円  1年   〃
茶通箱  20,000円  1年   〃
唐物   50,000円  2年   〃  
(唐物を取ってから、講師の資格が取れます。)

台天    70,000円  2年   〃
盆天   100,000円          
(盆天を取ってから、教授の資格が取れます。)


白い封筒に「相伝料」と表書きし、裏に自分の名前と金額を書く。
家元にお渡しする『お玄関料?とお供え料?」も確か、数千円~数万円が別に必要。


※申請料は、参考程度にしてください。

講師によれば、目的意識を持たれ、目に見えない色々な箇所にお金をかている講師もいらっしゃいますし、趣味程度で習われてきた方もいます。
申請料ではなく、別の形をとられている講師の方もいます(謝礼をしない生徒を抱えている方もいますし)ご縁を大切に、お茶の精神を学ばれてくださいませ。

『入門』あたりだと、ハウツー書籍が出ておりますが、
『茶通』あたりからは、口伝による伝授のみです。


↓割稽古からはじめて薄茶点前など茶道と聞いて思い浮かべるほとんど全てを含んでいる

入門

●割り稽古:
薄茶の点前をする前に、まず基本となる動作の稽古をします。
茶の湯の初歩の修行のたいせつな部分です、一つ一つの動作を正しく、しっかりと学び、稽古を積むことが大切です。

●略点前:
瓶掛けに鉄瓶、またはポットなどを用いて薄茶を点てる、初歩の薄茶点前

●薄茶点前:
御茶の稽古は薄茶に始まって、薄茶に終わるというくらい、大事な点前です。
この中に、すべての点前の基礎が含まれています。


↓習事八箇条、飾物五箇条からなり、特別な状況や道具に即した変化を学ぶ

習事・習事八箇条:
組合点・仕組点・長緒・盆香合・花所望・炭所望・茶筅飾・台飾の稽古許可

●組合点:
建水が名物か由緒のある品物である時に行う点前。
飾り付けは,棚に柄杓蓋置を飾り,水指の蓋に茶巾,茶筌,茶杓を飾り,棚前に,茶入を入れた茶碗を建水にのせて飾り付ける。

●仕組点:
道具を運ぶ手間をはぶいたもので,佗た老人にふさわしい手前。
棚に柄杓蓋置を飾り付け,茶入を棚前に飾る。
建水に仕組んだ茶碗をのせ,一緒に持ち出す。

●長緒:
大海茶入や老松茶器などの平たい茶入を入れるための袋を使った点前。

●盆香合:
名物か由緒のある香合を盆にのせて扱う,炭点前。
盆香合の場合は炉・風炉共に,香木二片を香合に入れて,たききるようにする。
棚に盆香合を飾っておきます。

●花所望:
花入が名物などの由緒ある時,または花が客その他より到来した場合,
客に所望して,花をいけてもらう式法。

●炭所望すみしょもう:
亭主の所望により客が炭をつぐ作法。
炉のときだけに限られる。半田を用意して,底取りで灰に左巴をかいておく,中央に長火箸を置き,その上に斜めに底取りをおく。

飾物・飾物五箇条 : 軸飾・壺飾・茶入飾・茶碗飾・茶杓飾

●軸飾り:
掛物が御宸翰や,名物,由緒ある物であるときに,行います。
巻いたままの軸を床壁に立て掛けておきます。
客の,所望により床に掛けます。

●壷飾り:
開炉のころ,口切の茶事に行います。
この時,茶壷は,蓋をしてその上に口覆を掛け,口緒を結びます。
客の所望により,拝見にだします。また,壷に飾り緒を掛けるか,網を掛けて,飾ってある時は,拝見を致しません。

●茶入飾り:
茶入が名物か由緒のある時,点前に使わず,床にかざります。
茶入は,盆にのせて飾ります.なお茶入には茶を入れません。
客は茶入,しふく,盆を拝見する。

●茶碗飾り:
同様に,茶碗が名物か由緒のある時に行います.
茶碗は中に四つ折のふくさを入れ,その上に茶入を入れて,飾ります。
客の所望により,茶碗を拝見にだします。

●茶杓飾り:
同様に,茶杓が名物などの時に行います。
盆の上に,ふくさをひろげ,右に茶杓,左に筒を置き,床に飾ります。
盆は長角のものを用います。

●台飾り:
棚に天目台を飾っておき,点てた濃茶を天目台にのせて客にだす,濃茶点前です。
貴人の客に対する点前です.茶碗は天目を使いません。

●茶筌飾り:
水指,茶入,茶碗,茶杓の四品中いずれかが名物か由緒ある品である時行います。
水指の上には,蓋右に茶杓を,中央手前三分の一に茶巾を,
その上に茶筌がのり,棚前に茶入をいれた茶碗を飾り付けます。

↓台子点前の準備段階として重要な道具の取り扱いを学ぶ

茶通箱
相伝による稽古事
茶通箱を使った濃茶点前

唐物
相伝による稽古
文琳茶入などの唐物写しの茶入を用いる濃茶点前 真,行,草がある

台天
相伝による稽古事
天目台を用いて行う濃茶点前

盆天
相伝による稽古事
四方盆を用いた唐物点前


↓台子点前

乱飾 相伝による稽古事

↓真台子を用いた奥儀

真台子(しんだいす、しんのだいす) 相伝による稽古事
真台子(しんだいす、しんのだいす)

乱飾と真台子はお家元宗匠より直接直伝。
古来より相伝の厳しさが今の世にも受継がれ、
皆伝の真台子は男性に限り、
女性では乱飾が最高の段階で、
お点前はもとより、体験に体験を重ねた修練の年数、知識、人格、茶道への貢献など、あらゆる角度から考えて許さるそうです茶道部〜茶わん〜



資格は、『表千家講師』と『表千家教授』があります

表千家講師
『表千家講師』の許しを得ると、
   弟子を取ることが許され、許状を申請することが出来るようになります。
【講師の資格条件】
   ・表千家同門会々員であること(同門会は、毎年、年会費1万円が必要)
   ・唐物以上を許されていること
   ・師匠からの紹介

  家元へ⇒ 申請料50,000円+玄関料10,000円+お供え10,000円
  師匠へ⇒ 御礼のお気持ち(上記と同じ額)

『表千家講師』と呼ばれる資格をいただく時にもらうのが「宗名」です。
自分で「宗」+漢字一字(自分の名前の一字を取るのが普通)を決めて、
申請書類に書きます


表千家教授
【教授の資格条件】
   ・表千家同門会々員であり、入会期間が連続で20年以上
   ・年齢50歳以上
   ・許状(相伝)の取り次ぎ……弟子の許状(習事以上)の申請実績があると言うこと
   ・教授者講習会5課目修了から5年以上
   ・盆点の許しを受けてから10年以上



おゆるしもの
許し物は、その言葉のとおり「秘事」として相伝を授けられる人だけに、
その作法が教えられるものです。
その作法は公開しないことはもとより、
お稽古場でも、その許しを得ていない人の前ではしない厳しいものです茶道部〜茶わん〜

棚点前 ポイント



棚の種類

http://verdure.tyanoyu.net/tana_omote.html


⭐点前の終わりに、柄杓、蓋置を飾りますが、

桐木地の、丸卓の場合、→ 柄杓の合、伏せて飾る。

それ以外の場合 → 合を上向きに飾る。

また、竹釘がある棚 → 柄杓を釘にかける。


⭐棚によっては、湯返しして棚に飾ることがある。

柄杓の合が早く乾くため。
竹釘へかける場合、小間の釣棚に飾る場合にはおこなわない。


⭐ 水指に水を足す

台子、長板、二本足の棚では、水指を地板にのせたままで水をつぐ。

四本足の小棚、棚の前に水指をおろして水をつぐ。大棚の紹鴎棚、袋棚もおなじ。高麗棚は、四本足でも水指をださない。

地板ののない棚は、運びの扱い。

⭐ 水指の蓋
水次やかんで水を足す場合の蓋の扱いは、必ず二手。
水指前に座って蓋を取るから。

立礼 ポイント


ポイント

- 必ず、椅子の後ろから、出入りする。建水を捨てるときのみ、椅子前から退席

- 茶を入れる時、茶碗の左横で棗を固定し、蓋の扱いをする。

- 茶碗の中に指を入れない。

- 水指から水を汲む時、放射線状に。

- 茶杓を置く時、円を描くように by 利休

- 茶碗を拭く時、左手を固定する。

- ぶつからない様に、お湯を捨てて、お茶碗を前に持ってきてから、茶巾を入れる。

表千家 炉 濃茶 運び




● 水屋ですること  

・茶入れには客の人数分の茶を入れ、仕覆に入れ緒を結んでおく。 
・茶入を水指の正面に荘る。

●  菓子器はその前に正客の前に出しておく。

茶道口に茶碗を膝前に置いて坐り、襖を開け茶碗を右手で取り、左手にのせ、茶碗を右手で横を持ち、水指正面に坐り、左手で左手前を持ち勝手口に仮置きし、


茶入を水指中央右寄りに置き、茶碗を、茶入と置き合わせる。


水屋にさがり、建水を持ち出し、茶道口を閉め点前座に内隅をねらって坐る。


左手で柄杓を取って、蓋置を右手で取り、定座に置き、柄杓を引き、主客総礼をする。


居ずまいを正し、建水を縁内に進める。


茶碗を左、右二手で膝前に内隅をねらって置き、茶入れを右手で取り、茶碗と膝の中間に置き、胴を持って仕覆の緒をとき左手で脱がせ、右手で茶入れは茶碗と膝前の間に置き、両手で仕覆の形をととのえ、左手で横を持ち右手に打ち返して(底は上)、打留を客付きに向けて、水指の左横に並べて置く。


腰の帛紗を取り、草の四方捌き(よほうさばき)をし茶入を拭き水指と炉縁を結んだ線上の中央から少し左に置く。


   8、          帛紗を捌き直し、茶杓を拭き、茶入の摘みを左によけ、右(炉側)に置く。


 茶筅を取り出し、茶入の右に置き合わせ、水指の蓋が塗蓋の場合、握りこんだ帛紗を下に折り返し、摘みの手前を手なりに「二」の字に拭き、帛紗を左手にわたし、茶碗を手前に引く。


茶巾を水指蓋上にのせ、帛紗で釜の蓋を取り、帛紗を右膝頭に仮置きし、湯を汲み茶碗に入れ、柄杓を構え帛紗を取り、釜の蓋を閉め(閉めるのはココだけ)帛紗を再び右膝頭に仮置きし、柄杓を蓋置きの上に引く。


茶筅を右手で取り、茶筅通しをし、湯を建水に捨て、水指上の茶巾を取り身体正面で茶碗に入れ、茶碗を膝前に置き、茶巾を元の水指の蓋にのせ、茶杓を右手で取り、左手で茶入を横から持ち、茶杓を握り込んで蓋を取り、茶碗の右横に置き、茶をすくい入れ、茶杓を茶碗の右にのせ、右手を茶入に添え、少し斜めにし回して、中の茶を全て入れ、茶入の蓋をして、左手で茶入を戻し、茶杓で椀中の茶をさばき、茶碗の縁で茶杓を軽く打ち、茶を払い、茶入の上に戻す


柄杓を取りかまえて、帛紗で釜の蓋を取り、蓋置に引き、帛紗を手なりに左膝脇に仮置きし、湯を汲み、茶碗に入れ、残った湯は釜に戻し、柄杓を釜の口にふせ引いておく。


茶筅を取り、左手を茶碗に添え、茶を練り、茶筅を茶碗の左縁にもたせかけ、さらに柄杓を取り、湯を汲み、左手で茶筅を持ち上げ、穂先にかかるようにして湯を入れ、茶筅を茶碗の左縁にあずけ、湯を釜に戻し、釜の口に柄杓をふせて置き、右手で茶筅を持ち直し、茶を練る。


茶筅を元に戻し、茶碗を右手で取り、左手にのせ、正面を正し定座に出す。
 (茶碗は向かって左、古帛紗はその横右でわさは茶碗側に出す)


柄杓を取りかまえ、釜の蓋を取り、閉め、柄杓を建水に左手で合を落としてななめにかけ、蓋置を右手で取り、左手で建水のうしろに置き(中仕舞い)客付きに回り、控える。


● 末客 (まつきゃく)が喫みきると、右手で茶碗を膝前正面に置き、左手で古帛紗を二つ折りにして右手で茶碗の左に仮置きする。その時正客から茶碗の拝見のあいさつがあるので、末客はそれを受けて、茶碗の飲み口を茶巾で清め、正面に戻し、茶碗、帛紗と正客に返す。


亭主は末客の喫み切りで居前に戻り、左手で蓋置きを取り、右手で元の位置に置き、柄杓を左手で取り、かまえ、右手で左膝脇の帛紗をとり、釜の蓋にのせとって、蓋置の上にのせ、帛紗を左に戻し、柄杓を持ち直して釜にあずける。


水指上の茶巾を取り釜の上に手なりにのせ、水指の蓋を右、左と二手で取り、水指の左横にたてかけ、

柄杓を上から取り左に持たせ持ち直し、水を釜に一杓さし、茶碗が客より返るのを待ち、帛紗を腰につける。

● 正客は、末客より茶碗、帛紗が返ると帛紗を右膝横、縁内に仮置きし、次礼をし、まず茶碗を拝見して次客へ送り、つぎに帛紗を拝見して次客へ送る。次客以下順に拝見し、末客は出会いで茶碗と帛紗を正客に返す。
 

《茶碗が正客の右(自分の左)、帛紗が左(自分の右)》


● 正客は、再度拝見し、正面を正し、出された位置に返す。(帛紗のわさは茶碗と逆側)


亭主は、茶碗、帛紗が戻るとまず帛紗を右手で取り懐中し、つづいて茶碗を右手で取り込み、総礼をする。


湯を汲み、茶碗に入れ、すすいで建水に捨て、茶碗を膝前に置き、「おしまいにいたします」と挨拶をする。(亭主&正客が礼)


柄杓を上から取り、扱って、水を汲み、茶碗に入れ、茶筅通しをし、水を建水に捨て、茶巾を右手で取り、茶碗に入れ、膝前に置き、茶筅を入れる。


茶杓を右手で取り、建水を左手で引き、帛紗を取り、茶杓を握り込んで帛紗を捌き、茶杓を拭いて、茶碗にふせて置き、帛紗を建水の上で払い、腰につける。


茶入を右手で取り、水指前右寄りに置き換え、茶碗を右手で取り、左手と二手で、茶入と置合わせ、柄杓を上から取り、水を二杓釜へさし、柄杓をかまえ、釜の蓋を閉め、柄杓を蓋置の上に引く。


水指の蓋を左、右二手で閉める。


この時、正客より「茶入、茶杓、仕覆、拝見」の挨拶があればこれを受け、柄杓を右手で取り、左手で建水にたたみ、蓋置を右手で取り、左掌にのせ、水指正面に回り、蓋置を左手で建水のうしろに置く。


茶碗を右一手で勝手付きに割り付け茶入を右手で取り、左掌にのせ、客付きに回り(炉縁の中心)右手で膝前に置き、帛紗を捌いて、茶入れを拭き、左掌にのせ、客付きに回り、左掌で正面を正し、右手で定座に出し、帛紗を腰につけ、水指正面に回り、茶杓を右手で取り、左手にわたし、居前まで回り茶入れと並べて出し、居前から仕覆を左手で取り、右手で扱い(右横をとり渡すだけで回さない)左手にのせ、客付きに回り、茶杓の下座に並べて出す。(亭主から見て左から茶入→茶杓→仕覆(茶入側))


水指正面に戻り、柄杓、蓋置を右手に持たせ、建水を左手に持ってさがり、茶道口に坐り、建水を膝前中央に置き、蓋置を左手で建水の右に置き、柄杓を建水にたたみ、襖を開け、水屋にさがる。


● 正客は、亭主が建水を持ってさがると、拝見物を引き自席に戻り、まず茶入を右膝横に置き、茶杓をその右横に置き、仕覆を右手で打ちかえして(打留が茶入側)茶杓の右横に置いて、茶道口の閉まるのを待つ。
 

亭主側からみた三器 

右膝横に置いた三器



亭主はつぎに茶碗を引き、つづいて水指を引き、茶道口に坐り、水指を膝前に置いて襖を閉める。

● 正客は亭主が水屋にさがると次客に「お先に」と挨拶をし、茶入を拝見し、次客は三客に次礼して正客につづき拝見する。    
             

              茶入の拝見…まずその形状を肩衝、鶴首、耳付など形の美しさを鑑賞し、釉薬の色合い、流れ具合など、さらに釉薬のかかっていない部分、土見といわれるところを良く拝見して粒子の状態からその窯所、時代を識別、鑑賞する。

茶杓の拝見…その竹の肌色、艶を鑑賞し、特にかい先の形態は歴代宗匠方によって固有の特徴がある部分なのでよく拝見し、全体の姿などを加味して、宗匠方のどなたの作かを推察する。

仕覆の拝見…見所の第一はその裂地にあり、時代、地色、模様、織り方などをよく拝見して緞子、金襴、漢東(かんとう)など各々の特徴ならびに仕立て具合などを鑑賞する。末客まで拝見物がまわり、末客は、茶入を拝見すると下座寄り(左膝前あたり)に置き茶杓も拝見して茶入の左に仮置し、仕覆を右手で打ちかえし、(打留が茶入側)茶杓の左に置く。



                      ●末客は正客との出会いで茶入、茶杓、仕覆の順に返す。
《正客の右から茶入、茶杓、仕覆(打留が茶入側)自分から左から茶入、茶杓、仕覆》

●正客はいったんあらためて、茶入、茶杓、仕覆の順に返す。

 正客が亭主に返した三器

亭主は茶道口に坐り、襖を開け道具正面に進み坐り、正客の問いに
などに答え、一礼して、すぐに右手で仕覆を取り(親指を底にあてくるりと回す)左手にのせ、またすぐに茶杓を右手で取り、仕覆の上にのせ左親指でおさえ、茶入を右手で持って立ち、茶道口に持ち帰り

坐って、茶入を身体近くに置き、茶杓を茶入の左に置き、仕覆を右手で打ちかえして茶杓の左に置き、一礼をし、襖を閉める。

ポイント

☆ 薄茶では、棗、茶杓の拝見後、
    濃茶では、茶碗、出し服紗、三器の拝見後、
    炭では、香合を拝見した後、
正客と末客は、出会いで返します。
このあと正客は改めて、両器の拝見をします。

☆ 質問
薄茶器 → 形、塗り、塗り師
茶杓 → 作、銘

☆ 正客は、お茶を飲み終わった後で、亭主に茶銘と 詰 (茶舗)を尋ねます。
☆ 全員が飲み終わって茶碗が亭主に戻った時、いただきました、と総礼をする。
☆ 亭主のおしまいのあいさつは、正客だけうける。
☆ 道具の拝見は ご3器の拝見をと所望する。
☆    棗の時、蓋を茶碗の右横に置く。
        雪吹、中次、金林寺などの場合、茶碗と膝の間に置く。
☆    茶杓は、かい先が手元より高くならないように。膝の線から出ないように持つ。

表千家 足運び(回り方)

足運び(回り方)

お手前を終えたあと、水屋に道具を持って帰るときは、回る方向の反対の足から引いて回って帰ります。
建水を持って回るとき以外は全て、お客様のいるほう右に回って帰ります。
そろえた両足を左足を少しうしろ横に引いて、右足をそれよりも多く左足うしろ横にハの字に引いて、次は左足で右へ回って畳のヘリ前に歩きます。
このとき左足は道具畳(釜や水指しなど道具が置かれている畳)から次の畳へは踏み出さないように。
次はハに字に引いた右足で次の畳に踏み出します。


建水を持って出るときは、反対の左回りです。そろえた両足の右足を少しうしろ横に引いて、左足はそれよりも多く右足うしろ横にハの字に引いて、次に右足で左に回って畳のヘリ前に歩きます。このときも道具次はハの字に引いた左足で次の畳へ歩いてください。

表千家 客の所作

掛け物(掛け軸)・お釜の拝見
まず入り口で扇子をひざ前に置いて一礼して入ります。


このとき扇子を前にすすめ、両手を畳について腰を浮かせるように軽くにじって入ります。席中に入ったら、扇子(扇子のかなめは右)をひざ前において正客に一礼してから床前に進みます。


床正面に座り、床の間の掛け物(掛け軸)・お花・花入れを拝見します。
床正面に座ったら、扇子をひざ前に置き、両手をついて一礼します。両手はついたままで、掛け軸の拝見をし、次に花入れが床柱に掛かってるときには、床柱に向けて扇子を置き、ひざも少しだけずらして、お花と花入れの拝見をします。
(花入れが掛け軸の前にあるときには、掛け軸を拝見後、そのまま花入れを拝見します)。拝見を終えたら、扇子とひざを元の位置(床の正面)に戻して一礼します。


扇子を右手に持って、左へひざを繰って立ち、道具畳にすすみます。道具畳にすすんだら、風炉の前に座り、扇子はひざ前においてお道具(風炉・釜)を拝見します。(このときお辞儀はしません)


拝見を終えたら、茶道口の前に戻って必ず畳の縁角(へりかど)を通って自分の席に戻って座ります。大人数の場合は直接席につくこともあります。
全員着座したら、亭主があいさつをします。あいさつを終えたら、扇子は体の後ろにかなめを下座に向けて置きます。正客の扇子のかなめは上座にむきます。


お菓子のいただき方
薄茶のお茶席の場合は主菓子につづいてお干菓子がでてきます。


客が揃って座ったら、亭主がお点前の前に主菓子を運んできます。主菓子器が正客の前に出されたら、正客は菓子器を正面をさけて、やや上座寄りにおきます。つづいてお干菓子が運ばれてきます。このときは正客は一礼します。


亭主がお点前をはじめて、茶せん通しが始まると、正客は菓子器からお菓子をとります。主菓子器を両手でとって畳の縁外、次客との間において、次客に「お先に」とあいさつして、ひざ前におきます。ひざ前においたら、そのまま菓子器を両手で軽く上げて畳の縁外へおいて、亭主に「お菓子をちょうだいいたします」とあいさつをします。

次に懐紙を取り出します。懐紙は和(折り目)が手前になるようにして、懐紙の一番外側を一枚、手前下から上に折り返していちばん上にのせます。(懐紙の裏面が表になります)。折った懐紙を畳の縁内ひざ前に置きます。


菓子器に添えられた黒文字(お箸)を、右手で上から取って、左手で下から添えるようにもち、右手に持ち直して、左手を菓子器に添えてお菓子を自分の分を懐紙に取り分けます。お菓子を懐紙にのせたら、お菓子をのせた懐紙の端で黒文字(お箸)の箸先を拭いて清め、菓子器に(元の位置に)戻します。黒文字(お箸)を元に戻したら、菓子器を隣の次の客の前に送ります。茶せんがはじまったらお菓子をいただきましょう。

正客は主菓子をとってまわしたあと、お干菓子器を畳の縁外、正面にとり、「お干菓子をちょうだいいたします」と亭主にあいさつをします。


主菓子をのせてある懐紙の上にお干菓子を手でとってのせます。干菓子器を次客に送ります。次客以下も同じように亭主にあいさつをしてお干菓子をとって送ります。
お干菓子は二服目を飲むときのためですが、二服目を飲まなくても、お干菓子はいただいてもいいんですよ。
また濃茶と薄茶をいただく場合は、濃茶には主菓子が、薄茶にはお干菓子がだされます。
お干菓子は一種類、二~三種類を盛った漆器の盆で運ばれてくるので、一種類ずつ手で取って懐紙にのせます。盛られた形を壊さないように向こうを取ってから手前を取ります(二種類の場合)。
主菓子は一服目のお茶のため、お干菓子は二服目のお茶のためですが、主菓子・お干菓子が同時に運ばれる場合もあります。そのときお干菓子は懐紙にのせて、膝横に置きます。(食べない場合は懐紙に包んで持って帰ります)。


薄茶のいただき方
亭主がお茶を点てて茶碗をさし出します。
替え茶碗があれば替え茶碗を持って道具畳近くまですすんで座ります。


座ったら持ってきたお茶碗を左ひざ頭前に仮置きし、差し出されたお茶碗を右手で取って左手にのせてあしらって、手前(時計まわり)に二回まわして右ひざ頭の前に置きます。


仮置きしたお茶碗を右手で取って左手にのせてあしらって、向こう側(時計の反対まわり)に二回まわして差し出されたお茶碗のあとにおきます。


右ひざ頭の前においてあるお茶碗を右手で持って、正客のほうに回るように右(上座)にひざを繰って立ち、自席に戻ってすわります。


茶碗をひざの前、畳の縁外置いて居ずまいをなおします。右手でお茶碗を持ち、左手であしらって右手で持ち直して、畳の縁内の自分と前(上座)の客との間に置いて、「もう一服いかがですか」と両手を畳について会釈します。


次に右手で茶碗を持って左手であしらって、右手に持ち直して自分と次客(下座)との間にお茶碗を置いて、「お先にちょうだいいたします」と両手を畳について会釈をします。


右手で茶碗を持って、左手であしらって右手に持ち直して、自分の正面の畳の縁内ひざ前にお茶碗を置いて亭主に「お点前ちょうだいいたします」と両手を畳についてお辞儀をします。


茶碗を右手で取って左手にのせ、あしらって右手を添えて、茶碗を軽くささげるようにあげます。


茶碗の正面をはずして向こう側に向くように、手前(時計回り)に二回まわして、お抹茶(薄茶)をいただきます。


二~三回で飲み終えたら、最後に「ズズ~ッ」と音をたてて残り全てを飲みきります。


(薄茶)飲みきったら、右手の指先で飲み口を左から右に軽く拭きます。拭いた右手の指先は懐紙で拭く。

ポイント

☆たてたお茶を取りに行く時、自分の背が自席を向くように座る。



茶碗の拝見
飲み終えたお茶碗は向こう側(時計と反対回り)に二回まわして、茶碗の正面を戻して畳の縁内ひざ正面に置きます。


茶碗の拝見です。両手を畳について、茶碗の右側・左側と茶碗の形や全体を拝見。次に両肘を両ひざにおいて、茶碗を手にとって軽く持ち上げて、茶碗を回しながら茶碗の外回り・高台・印などを拝見します。茶碗の正面を自分のひざ前においてもう一度、畳に両手をついて茶碗の右・左全体を拝見します。


お茶碗の拝見を終えたら、亭主にお茶碗を返します。お茶碗を持って道具畳近くへとすすんで座りまます。


右手で茶碗を持ち上げて左手の上にのせ、あしらって右手で反時計周りに二回まわして、ひざ前畳の縁外へ置きます。

正客が連客に十分いただいたかどうか尋ね、十分であれば亭主がお茶碗をゆすいで建水にお湯を捨てたときに「どうぞ、おしまいください」「どうぞ、おしまいを」と正客があいさつをします。


これを受けて亭主が左手にお茶碗を持ったまま受けて、茶碗をひざ前において改めて「おしまいいたします」「しまわさせていただきます」とあいさつ(一礼)します。これを受けて総礼をします。


ポイント
☆薄茶の場合は幾口飲んでもかまいません。
☆お茶碗をとり上げて見るときには高く持ち上げないように、低い位置で見るように。




濃茶のいただき方
まず、亭主が茶碗と出し帛紗を出しますので、正客がお茶をとりに出て行きます。
自席に戻り座ったら、ひざ前、畳の縁外の右よりにお茶碗を置きます。
左手の手のひらの出し帛紗を右手に持ち替えて茶碗の左側に置いて、居ずまいを直します。
正客が右手でお茶碗をとって、左手の手のひらにのせてあしらって、右手で畳の縁内、次客との間に茶碗をおきます。出し帛紗を右手で取って、左手に持ち替えお茶碗の左下座よりにおいて、「お先に」と一礼します。そのとき、お客(一碗で飲む人だけ)は総礼です。


正客がお茶を飲んでる間に、次客は三客に「お先にいただきます」と礼をします。
次客以下も同様で、前のお客が飲んでるときに、次の客に次礼をします。
正客が飲み終えたら次客へ送られます。
正客から次客へ送り礼をされるので、次客は受けて一礼します。


自分の席に茶碗が送られてきたら、右手でお茶碗をとり、左手にのせてあしらって右手でひざの前におきます。右手でふくさをとって、左手の平にのせて開きます。
ふくさの上に茶碗をのせて抹茶をいただきます。飲む量としては三口半くらいだそうです。(半というのは茶碗についてるお抹茶をすすることです。)
一口飲んだら、亭主から服加減のあいさつがあるのでこれを受ける。
「お服加減はいかがですか?」


飲み口にたまったお茶を吸いきったら、お茶碗を右手で、ひざ前の右に、出し帛紗を二つに折ってお茶碗の左側に置きます。
飲み終えたお茶碗は懐紙の一枚を四つ折りにして、角の和の部分で飲み口を拭き、一度拭いたところを折りなおして、別の新しい角できれいにふきます。さらに拭いて汚れた懐紙の角を折り込んで、別の角でもう一度飲み口を拭きます。お茶碗の飲み口を三回拭いて清めたら懐紙はたたみこんで右のたもとにいれます。洋服の場合は懐紙入れに入れたらいいですね。


お茶碗を右手で取り上げ、手前から向こう反時計回りに二回まわして正面を元に戻します。
お茶碗を右手で次客との間縁内に、出し帛紗を右手で取って、左手に渡しお茶碗の左横に並べて「お先に失礼いたしました」と次客へあいさつをし、次客もお辞儀をします。これを「送り礼」といいます。
次客が濃い茶を飲んでいる間に正客は茶名、詰を尋ねる。


末客 (まつきゃく)が喫みきると、右手で茶碗を膝前正面に置き、左手で出し服紗を二つ折りにして右手で茶碗の左に仮置きする。その時正客から茶碗の拝見のあいさつがあるので、末客はそれを受けて、茶碗の飲み口を茶巾で清め、正面に戻し、茶碗、帛紗と正客に返す。


正客は、末客より茶を喫み茶碗を下に置いた時、「お茶碗の拝見を」と請う。
正客は、末客より茶碗、帛紗が返ると帛紗を右膝横、縁内に仮置きし、次礼をし、まず茶碗を拝見して次客へ送り、つぎに帛紗を拝見して次客へ送る。次客以下順に拝見し、末客は出会いで茶碗と帛紗を正客に返す。
 

《茶碗が正客の右(自分の左)、帛紗が左(自分の右)》

正客は、再度拝見し、正面を正し、出された位置に返す。(帛紗のわさは茶碗と逆側)


茶筅を茶入の横に置き、茶碗を右手で取り、左手にのせ、正面を正し定座に出す。
(楽茶碗以外のものを使った時は、茶碗を出し、懐中の帛紗を右手で取り出し、左掌にのせ右手で扱って茶碗の下座に出す。)



ポイント、
☆濃茶の場合は「お二人さまでどうぞ」とか「五人さんでどうぞ」などと声をかけてくれます。一個の茶碗で飲む人数を教えてくれるので、人数を考慮して飲む量を考えてね。
運ばれてきたお茶碗が正面におかれたら、「〇〇人でどうぞ」と声をかけられます。正面に置かれた茶碗を畳の縁内に取り入れてあいさつをします。そのとき「〇〇人で」の飲み回す人数の人が一緒に畳に手をついてお辞儀をします。

☆送り礼は濃茶の飲み回しのときにだけします。

表千家 炉 薄茶 運び




最初に茶道口より主菓子を運びます。


次にお点前の道具です。茶道口で水指をひざ前において、ふすまをを開け(ふすまの開け方参照)、一礼します。


両手で水指を持って立ちます。水指を持つとき手の側面小指が畳につくようにして持ち、左足からでます。一畳を六歩で歩いて道具畳で二歩歩いて座ります。(このときひざの位置は道具畳の中央で、炉の縁の線と平行になるように。)


水指をひざ前約24㌢くらいあけて畳の中央に置きます。立って客付けに回り(左足を引いて右回り)で水屋に戻ります。


次に右手に棗、左手に茶碗(茶巾・茶せん・茶杓は仕組まれています)を持って出て、道具畳の中央に座ります。棗・茶碗は水指の前にそろえて置きます。このとき茶器(なつめ)と茶碗の間は畳目三目ほどです。(風炉の運び点前を参考に)


客付け周りで水屋に戻り、建水(蓋置・柄杓は仕組まれています)を左手に持ってでます。建水を持って出たら茶道口に斜めに座り、建水をひざ前に置いてふすまを閉めます。建水を持って立ち、茶碗・棗の前に座り、建水を左ひざ脇に置きます。


柄杓を左手で少し持ち上げて、蓋置を右手で取って柄杓を戻します。
右手でとった蓋置を左手にのせて、炉のほうへ斜めにひざをまわして、右手で蓋置を炉の右角近く(炉の縁の右から畳目三目、手前の縁から二目離して)に置きます。建水から柄杓を左手で取って右手で構えて蓋置の上に、柄杓の柄が体と平行になるように柄杓をのせます。そこで一礼します。


道具をならべる
一礼したら、居ずまいをただします。炉の運び点前でお茶をたてる場合、体の位置はひざの中央が炉縁の内隅(炉縁の内側の角)になるように座ります。建水を左手で少し前にすすめて(ひざより少し下で、炉縁の線に半分掛かるほど)、左手でお茶碗を取って、右手に持ち替え、右手でひざ前向こうに二手で置きます。次に右手でなつめをとってお茶碗とひざのとの間に置きます。

表千家 費用と相伝


『表千家』相伝(初級・中級について)


まずはじめに、表千家は裏千家と違い、

相伝を初級・中級などといった形で分けていません。



ここで、一応初級・中級とレベル分けして書きますが、

あくまで参考程度にして頂けたらと思います。



初級

入門(にゅうもん)

茶道の基本となる歩き方、お辞儀の仕方、

そして割稽古などを学ぶことになります。



習事(ならいごと)

習事は『習事8箇条』から構成されています。



茶筅飾(ちゃせんかざり)

濃茶点前で、水指・茶入・茶碗・茶杓のいずれか1品が名物、

又は由緒ある品である場合にする点前。



台飾(だいかざり)

天目台を扱って、濃茶を客に出す点前。



組合点(くみあわせだて)

建水が名物、又は由緒ある品である場合にする点前。



仕組点(しぐみだて)

又の名を『老人点前』と呼び、道具を運ぶ手間を省いた濃茶点前。



長緒(ながお)

仕服の紐が非常に長いものを言い、

仕服の紐の扱い、そして平たい茶入れの扱いを稽古します。



盆香合(ぼんこうごう)

名物、または由緒ある香合を、盆にのせて扱う炭点前。



花所望(はなしょもう)

客に花を生けてもらう式方で、花入れが名物、

又は由緒ある品、あるいは客から花を頂いた場合に行います。



炭所望(すみしょもう)

炉の時期に、亭主の所望により客が炭点前をすることです。



中級

飾物(かざりもの)

飾物は『飾物5箇条』から構成されています。



軸飾

掛物が名物、又は由緒ある場合に行うものです。



壷飾

床へ茶壺を飾る式方です。



茶入飾

茶入が名物、又は由緒ある場合に行うものです。





茶碗飾

茶碗が名物、又は由緒ある場合に行うものです。



茶杓飾

茶杓が名物、又は由緒ある場合に行うものです。



茶通箱(さつうばこ)

桐製の箱に2種類のお茶を収め、

それぞれのお茶を客にもてなす点前。






費用について

茶道 基礎知識 所作

表千家では、相伝料を表向きに公表していません。

もちろん、ネットなどで『この相伝は、○円』

という情報は出ていますが、



あえて公表していないのには、

表千家の意向があってこそで、



正確な費用については、

先生に確かめるのが一番ということでしょう。



許状代・相伝代の納め方

裏千家、表千家共に、許状代は

師事する先生を通して家元へ納めることになります。



一般的に、熨斗袋に必要な金額を入れ、

表書きの書き方は『御許状代』・『相伝料』などになります。



さらに、先生へのお礼代を必要とする場合、

表書きを『御礼』とし、

『御礼』と書いた下の部分に、

ご自分の名前を書かれるのが一般的かと思われます。



しかしながら、やはり先生によって

指示する書き方は違ってくるかと思われます。



お礼代の有無や金額、表書きについても、

全てにおいて先生(又は、同じ社中の方)

に確かめるのは必須です。



資格としての扱い。


先にお話したように、

裏千家では『資格制度』を設けていますので、

履歴書の資格欄に、【平成○年○月 茶道裏千家 初級取得】

といった様に記載することが出来るかと思います。



ただし表千家に関しては、『資格』とはっきり明確にされるのは、

『資格者(表千家講師)』・『表千家教授』の資格を持つ人のみですので、

この資格を持っていない場合は、

資格欄に記載するのは避けた方が無難かもしれません。



お茶の世界は、普段の私たちの生活とはかけ離れている部分が多くあり、

分からないことだらけなのが、むしろ当たり前です。



しきたりや礼を重んじる世界ですし、茶道独特の決まり事も沢山ありますので、

分からないまま、自分なりに模索して行動するよりも、

 先生に聞いてから行動することが、お茶の世界では大事かと思います。

初心者のための茶道教室 スケジュール

-其の3,4

割稽古 2,3

盆略点前 客の所作

-其の5

柄杓の扱い
薄茶(運び)① 客の所作 (茶碗の拝見)

-其の6

薄茶(運び)② 客の所作 (茶碗の拝見)

-其の7 

薄茶(運び)③ 客の所作 (棗・茶杓拝見)

-其の8

薄茶(運び)④ 客の所作 (棗・茶杓拝見)

-其の9

薄茶(運び)⑤ 客の所作 (棗・茶杓拝見)

-其の10

薄茶(棚)①

-其の11

薄茶(棚)② 

-其の12

薄茶(棚)③ 客の所作 (棗・茶杓拝見)

-其の13

薄茶(棚)③ 客の所作 (棗・茶杓拝見)

-其の14

薄茶(棚)④ 客の所作 (棗・茶杓拝見)

-其の15、16

平花月 (または平茶碗 (筒茶碗)の扱い)

-其の17、18

薄茶(復習レッスン)又は濃茶体験 (客の所作)

-其の19

総まとめ

-其の20

お茶会、許状授与式

初心者のための茶道教室 其の2

予定。

割稽古 1

帛紗捌き
棗 茶杓清める
茶巾のたたみ方
茶筅通し 茶碗を清める
お茶を立てる

客の所作


ポイント

扇子の下部分=カネコ

乾燥した白檀=風炉の時期
練香=炉の時期

香合ないとき、炉します。の合図

帛紗捌きのとき肘あげ、甲と腕一直線に。普段は卵一個分開ける。

初心者のための茶道教室 其の1

お昼のコースを受講しました。

生徒は、主婦か独身女性で年齢層は20代~70代まで幅広いです。

先生と助手の方々2名に習います。

今日は、

お辞儀の仕方
襖の開け閉め
立ち居振る舞い
席入りの仕方
割稽古 帛紗の扱い
お菓子お茶の頂き方

帛紗捌き
棗 茶杓清める


カリキュラムと少し違いましたが、たくさんのことを学びました。

☆ポイント、疑問点

右足から入って左足で退出? → 下座側(客と反対)に帛紗をつけて上座側の足から入室し反対の足から退出するのが決まり。


掛け軸に向かって真の挨拶、お香、お花拝見?

席入りの時扇子の方向が正客さんとその他の客が違う?→ 次客以下は正客に敬意を示すため。

2016年10月5日水曜日

裏千家 風炉薄茶棚点前

更好棚について

・十一世家元玄々斎好みの二重棚で、利休居士の好みでつくられた三重棚を、二重棚として新しく好んだというところからその名がつけられました。
・桐材で青漆爪紅、黒掻合せ塗爪紅、漆塗、木地のものがあります。
・風炉、炉ともに用います。





薄茶点前にかかる前の準備

水屋ですること

・ 薄茶器に中高になるようにお茶を入れる。

・ 茶筅は、水で清め、茶巾、茶杓(櫂先は下)とともに、茶碗に仕組む。

・ 水指に八分目の水を入れる。

・ 炉用の竹の蓋置を使用(節を中ほどに切った中節)

・ 柄杓を準備(柄のつき方は月形で合が大ぶりで切止めの皮のほうを斜めに切ってある)

・ 棚を貴人畳のへりから畳の目数十六目向こう、中央に揃える。

・ 地板に水指、中棚に棗を荘る。

  

・ 水次を用意し、茶巾を蓋上にのせておく。
・ 釜の蓋を少しきっておく。
・ 帛紗を腰につける


●  菓子器はその前に正客の前に出しておく。


茶道口敷居から27cmほど開けて坐り、茶碗を建付けに置き、襖を開け、両手を揃えて総礼
(真のおじぎ)


茶道口建付けに茶碗を置いて坐り、襖を開け、主客総礼して茶碗を右手で取り、左手にのせ、棚正面に坐る。

茶碗を右手で横を持ち、左手で左手前を持ち勝手口に仮置きし、

棚上の棗を取り、棚正面右寄りに置き、勝手付きの茶碗を左、右、左と三手に扱って、棗と置き合わせる。

水屋にさがり、建水を持ち出し、定座に坐る。

建水を置き、左手で柄杓を取ってかまえ、蓋置を右手で取り、定座に置き、(風炉の左下)柄杓を引き、建水を左手で進め、居ずまいを正す。

膝前に茶碗を右手前→左横→右横、棗を茶碗の前に一手で取り込む。

腰の帛紗を取り、帛紗を捌き、棗を清め(この字を書いてつき、横を拭く)棚正前、左寄りに置く。
帛紗を捌きなおし、茶杓を清め、棗の上にかい先を上に向け置く。
茶筅をとって、棗と置き合わせ、茶碗を手前にひく。

左手の帛紗を指にはさみ、柄杓をとって構え、右手で帛紗を取って釜の上に置き、釜の蓋を開け(帛紗は横に置き、両脇をつまむ)帛紗を建水の後ろに仮置きする。
茶碗の中の茶巾を取り出し、蓋の上に置く。
柄杓を上からとって、茶碗に湯を入れ、置き柄杓。茶筅通しをする。

茶碗の湯を建水に捨て、茶巾でふき、茶碗を右手で置いたのち、茶巾を蓋に置く。
茶杓を取り、菓子をすすめ、棗を取り、蓋を開け、右膝頭に置き、
茶を入れ、左手で棗を右手で茶杓を元に戻す。
水指の蓋を右、左、右の三手でとり、左横にたてかける。

人差し指と中指で柄杓をとり湯を汲み茶碗に入れ、残りは釜に返し、切り柄杓。(親指と人差し指の股をLの字にする)
茶筅ととり、茶を点て、正面に回し、出す。
客の一口で帛紗を腰につける。
茶碗が戻ると膝前にとりこみ、湯を汲んで茶碗をすすぐ。

正客よりお仕舞いの挨拶があればこれを受け、茶碗を膝前に置き、「おしまいにいたします」と挨拶し、

柄杓を上からとり、扱い、水を一杓茶碗に入れ、柄杓を釜にあずけ、引き柄杓。(釜に柄杓を置く→手を揃える→手を少しひく→親指を切り止めを通って手を揃える→引いて丸を作り→釜にまっすぐにして置く)

茶筅を取り、茶筅通しをし(さらさら→コツン上げる×2→のの字)茶筅を置き
建水に水を捨て、茶巾を真ん中で手前から茶碗に入れ、茶筅を仕込む。

茶杓を取り、建水を引き、帛紗を捌き直して茶杓を拭き、茶碗にふせておく。

棗と茶碗を(右横、左横、右手前)釜の中心に置き、中仕舞いをする。

柄杓を上からとって水指から水を汲み、釜に一杓入れ、湯返しする。(蒸気で乾かすため)

柄杓を構え、釜の蓋をする。

柄杓を蓋置にひく。

水指の蓋を三手で閉める。

このとき正客より、棗、茶杓の拝見を請われるとこれを受け、柄杓を取り扱って、 中棚に飾る。(左上に合を1/3 に、柄を1/4の位置に、向け斜めにする)

蓋置をとり、左手で扱って 中棚(柄杓の合の左下)に飾る。

 


茶碗を勝手付きに割り付け、棗を持って客付きに回り、棗を拭いて、定座に出す。

居前に戻り、茶杓を取って、棗の右に出し、

建水、茶碗と水屋に引く。

建水、茶碗を下げたら水次を持って入り、棚前左に、 斜めになるよう、手なりに置き水指を棚からおろす。

水指の蓋を右手で取り、左手で扱って、水指の左横に立てかける。

水次を上げ、茶巾を口にあて、水指に水をつぐ。

水次をおろし、茶巾を蓋上に戻し、水指の蓋を扱って閉め、棚に戻す。

水次を正面から持って下がり、襖を閉め、拝見の返るのを水屋で待つ。

拝見物が戻ると取りに出て、問いに答え、右手で棗を取り、左掌にのせ、右手で茶杓を取り
状態を起こし、棗、茶杓を同じ高さに持ち、左ひざから立ち上がり、右足を開いて回り込み左足で踏み込み畳を踏み越し、向きを変えて茶道口に坐る。

建付側に茶杓を置き、棗は、膝横に置く。
主客総礼して襖を閉め水屋にさがる。



拝見なしの場合

● 総飾り…茶碗を茶巾で拭く→茶巾を絞る→茶巾を茶碗に仕込む→茶杓を拭く→中仕舞い→帛紗をはらう
  蓋置の位置に茶碗、蓋置は、水指の前
● 水指の蓋が塗の場合…帛紗を荘る



注意点

- 建水を水屋に下げる時、必ず、膝ひとつ寄せてから持ち運ぶ。
- 水指し前に座ったときは、近いので、蓋は、2手で扱う。

裏千家 風炉濃茶運び点前

準備

帛紗を腰につける。
・ 帛紗、懐紙を懐中する。
・ 茶入れには客の人数分の茶を入れ、仕覆に入れ緒を結んでおく(一人、三杓、3.75g)
・ 水指と風炉を置き合わせ、その水指の前に茶入を荘っておく。

◎ 菓子は点前の前に運び、客は先にいただく。






点前


茶道口に茶碗を膝前に置いて坐り、襖を開け茶碗を右手で取り、左手にのせ、茶碗を右手で横を持ち、左膝から立ちあがり定座に坐り、茶碗を右手で右横を、左手で左手前の二手で勝手口に仮置きし、右手で茶入を持ち、水指の前右寄りに置き、左手で茶碗左手前、右手で真横、左手で左横の三手で、茶入と置き合わせる。

水屋にさがり、建水を持ち出し、茶道口を閉め、(左で立って右の足を回し揃え、左足を進め、縁を右足で越す)定座に坐る。
左手で柄杓を取り、右手でかまえ(鏡柄杓)蓋置を右手で取り、風炉敷板の左前角に置き、柄杓を引き、主客総礼をする。
建水を縁内に左手で進め、居ずまいを正す。
右手で茶碗の右手前を取り、左手で左横、右手で右横の三手で、膝前少し向こうに置く。
茶入れを右手で取り、茶碗と膝の中間に置く。
仕覆の緒をとき(といたら横にし、左手で打留をもち、向こう、手前と紐をゆるめ、正面で右、左と手をそわせ、底を持ち)脱がせ、両手で仕覆の形をととのえ、右手で仕覆の右横を持ち、左へ打ち返して(底は上)、打留を客付きに向けて、右手で風炉と水指の中間向こう寄りに置く。
腰の帛紗を取り、草の四方捌きをし(左手を左に滑らす 一回目は膝真中で数えず、その後、左膝上で棚をつくり四回行ない、最後の五回目に両手を寄せた時右手人差指を入れ、三角を作り、親指、人差指を離し普通に捌く)茶入を取り、蓋を向こう手前と二引きに拭き、帛紗を茶入の胴にあて、左手で左回しに回し、拭きぬく。


帛紗を握りこみ、茶入を水指の前左よりに置き、
帛紗を捌き直し、茶杓を取り、三回拭き、茶入の蓋の摘みの左側(火付側)、に置き、
茶筅を取り出し、茶入の右に置き合わせ、
水指の蓋が塗蓋の場合、左手の帛紗を右手に持ち、折り返し水指の蓋を「二」の字に清め、帛紗を左手にもたせ、茶碗を手前に引く。(共蓋の場合は、茶碗を引いてから茶巾をのせるだけで蓋を清める必要はない)
茶巾を右手で取り、水指蓋上に置く。

帛紗を左手の人差指と中指にはさみ、柄杓を取ってかまえ、右手に帛紗を持ち替えて釜の蓋を取り、帛紗を建水の後に仮置きし、
柄杓を扱って、湯を汲み、茶碗に入れ、柄杓を釜にあずけ、置き柄杓をする。
茶筅を右手で取り、茶筅通しをし、湯を建水に捨て、右手で水指上の茶巾を取り、茶碗を左膝頭で拭き、茶碗を膝前に置き、茶巾を釜の蓋上に置く。
茶杓を右手で取り、左手で茶入を横から持ち、茶杓を握り込んで茶碗の左横で蓋を取り、茶碗の右横に置き、茶を三杓すくい入れ、茶杓を茶碗の右かたにあずけ、右手を茶入に添え、少し斜めにし時計逆回りに回して、中の茶を全てあけ切る。
茶入の口を右手の親指と人差指で向こう手前と拭き、指を懐紙で清め、茶入の蓋をして、左手で茶入を元の位置に戻し、茶杓で椀中の茶をさばき、茶碗の縁で茶杓を軽く打ち、茶を払い、茶入の蓋の上に置く。

右手で水指の蓋を取り、右左右の三手に扱って、水指の左横に摘みが右横になるように置く。
柄杓を右手で上から取って、左手で扱って(取り柄杓)水を汲み、釜にさし(風炉の濃茶点前に限り、さきに水をさし湯加減をみる)湯を汲み、茶碗に入れ、残った湯は釜に戻す。(切り柄杓)
茶筅を取り、左手を茶碗に添え、茶と湯をよく練り合わせ、茶筅を茶碗の左縁にあずけ、さらに柄杓を取り、もう一度湯を汲む。
左手で茶筅を少し持ち上げ、その穂先から湯を茶碗にそそぎ、残った湯は再び釜に戻し、置き柄杓をする。
茶筅を取り、よく練り合わせ、
茶筅を茶入の横に置き、茶碗を右手で取り、左手にのせ、正面を正し定座に出す。
(楽茶碗以外のものを使った時は、茶碗を出し、懐中の古帛紗を右手で取り出し、左掌にのせ右手で扱って茶碗の下座に出す。)

●  正客は茶碗が出されると取りに出て座に戻り、茶碗を右手で左膝横に置き、連客は総礼をする。正客は感謝して、いつものようにして、一口いただく。
● 正客は茶碗、古帛紗と出されたとおりに引き、座に戻り、古帛紗を先に縁内右膝横に置いて総礼する。
●  正客は、古帛紗を左掌に拡げ、茶碗をその上にのせて喫む。
●  次客以下も正客と同様にしていただく。
正客が一口喫むと、亭主は服加減をたずねる。(「お服加減はいかがですか?」)
亭主は服加減を問うと、客付きに回り、
●  正客は右手をついてこれを受けその後二口半喫む。
●  その間、次客は「お先に」と挨拶する。
●  正客は喫み切ると、茶碗を下に置き、茶巾を取り出し、喫み口を清める。
●  正面を正し、次客に手渡ししておくり、たがいに正面を向いて送り礼、受礼をする。
●  正客は次客の一口で、茶銘、詰、菓子などをたずねる。

亭主はこれに答え、「又玄でございます」「小山園でございます」
 「東京富ヶ谷岬屋のこしあん水羊羹でございます」などと答える。
亭主は末客の喫み切りで、居前に戻り、取り柄杓をし、水を釜に一杓さし、引き柄杓をする。
建水うしろの帛紗を腰につけ、茶碗が客より返るのを待つ。
●  正客は、末客より茶を喫み茶碗を下に置いた時、「お茶碗の拝見を」と請う。
●  末客はこれを受け、喫口を清めてから正客の前に持って出る。
●  正客は、次礼をして茶碗の拝見をする。
  
末客が拝見を終わると、正客との出会いで、正客に返し、正客は正面を正し、出された位置に返す。
■ 楽茶碗以外のものを使った時、末客は喫みきると、茶碗を膝前に置き、古帛紗をたたんで、縁内左に置き、正客からの拝見を受ける。


→ 拝見の仕方
茶碗、古帛紗の順に拝見をし、正客と末客の出会いで正客に返し、正客は茶碗を出された位置に返し、古帛紗を扱って、正客から見て茶碗の左に返す。


亭主は、茶碗を右手でとり、左手で扱って右手で膝前に置き、主客総礼をする。
(この時、茶碗の問いがあれば、これに答える)
■ 亭主は楽茶碗以外のものを使った時、茶碗が帰ると、まず古帛紗を右手で取り、一手で懐中し、茶碗を右手で取り込んで主客総礼をする。
柄杓を下からとって湯を汲み、茶碗に入れ、置き柄杓をする。
すすいで建水に捨て、茶碗を右手で膝前に置き、仕舞いの挨拶をする。「お仕舞いいたします」
取り柄杓で水を汲み茶碗に入れ、引き柄杓をし、しまいの茶筅通しをし、茶筅を元の位置に置き、水を建水に捨て、茶巾を右手で取り、茶碗に入れ、膝前に置き、茶筅を入れる。
茶杓を右手で取り、建水を左手で引き、左手で帛紗を取り、茶杓を握り込んで帛紗を捌く。
茶杓を二度拭いて、茶碗にふせて置き、
茶碗を右手で右横を持ち少し左に寄せ、茶入も右手で、茶碗と置き合わせ(中仕舞い)
帛紗を建水の上で払い、腰につける。
■  小間の場合は、茶杓を拭いて茶碗にふせておき、帛紗を建水の上で払い、腰につけ茶入を右手で水指前右のほう、初めに置き合わせた位置に置き、右手で右手前に持ち替え、茶入と置き合わせる。(本仕舞い)
■  本仕舞いの時は、茶碗を右手で手前を取り、左手で左横、右手で右横の三手で勝手付きに置く。
柄杓を扱って、水を一杓釜へさし、柄杓をかまえ、釜の蓋を右手で閉め、柄杓を蓋置の上に引く。
水指の蓋を右左右の三手で閉める。

■  この時、正客より「茶入、茶杓、仕覆、拝見」があればこれを受け
柄杓を右手で取り、左手に持ち替えて、建水にたたみ、右手で蓋置きを取り、左手に持たせ、建水のうしろに置く。
右手で茶碗を取り、一手で勝手付きに置く。
茶入を右手で取り、左掌にのせ客付きに回り(炉縁の中心)茶入れを膝前に置き、帛紗を捌いて、茶入れを取り、蓋を向こう手前と拭き、帛紗を茶入の胴で拡げ、胴拭きをし拭き抜き、帛紗を膝前に置く。
蓋を取り、蓋裏を調べ、蓋を帛紗の向こうに置き、帛紗を取り胴で扱い、茶入の口を向こう手前と拭く。
帛紗を膝前に置き、その手で茶入れの蓋を取り閉める。
左掌にのせ正面を正し、右手で定座に出す。
帛紗を腰につけ、居前に戻り、茶杓を右手で取り、左手に渡し、客付きに回り、茶入れの右に置く。
ふたたび居前に戻り、仕覆を右手で取り、左手で扱い、左掌にのせ、客付きに回り、茶杓の右のほうへ置き合わせる。

居前に戻り、柄杓、蓋置を右手に持たせ、一膝勝手付きに向き、左手で建水を持って立ち、茶道口さがって坐り、建水を膝前中央に置き、蓋置を左手で建水の右横に置き、柄杓を左手で扱い、右手で建水の上に置き、襖を開け、水屋にさがる。

 
●  正客は、亭主が建水を持ってさがると、拝見物を引き、まず、茶入を右膝横に置き、茶杓をその右横に置き、仕覆を右手で打ちかえして、茶杓の右横に置いて、茶道口の閉まるのを待つ。
亭主はつぎに右手で茶碗を取り左掌にのせ、右手を添えて両手で持ちさがる。

つづいて水指を持ちさがり、茶道口に坐り、水指を膝前に置いて襖を閉める。

●  正客は亭主が水屋にさがると次礼をし、茶入、茶杓、仕覆の順に拝見をする。次客は三客に次礼して正客につづき拝見する。
  
末客は、茶入、茶杓、仕覆の拝見がすむと、仕覆を右手で打ちかえし(親指を底にあてくるりと回す)、茶杓の左に置き、正客との出会いで返す。(緒の向きは必ず道具側に返す)
   
● 正客はいったんあらためて、茶入、茶杓、仕覆の順で出された反対に返す。

亭主は茶道口に坐り、襖を開け道具正面に進み、坐り、正客の問いに

 「お茶入のお形は」   「文琳(ぶんりん)でございます」
 「お作、窯は」      「瀬戸でございます」
 「お茶杓のお作は」   「宗篤でございます」
 「ご銘は」         「薫風でございます」
 「お仕覆のお生地は」  「宝尽くしでございます」 などに答え、

一礼して、すぐに右手で仕覆を取り左掌にのせ、またすぐに右手で茶杓を取り、仕覆の上に斜めにのせ左親指でおさえ、茶入を右手で持って立ち、茶道口に持ち帰る。
坐って茶入を膝近くに置き、茶杓を茶入の左に置き、仕覆を右手で打ちかえして(打留が茶杓側)茶杓の左に置き、一礼をし、襖を閉める。