まず入り口で扇子をひざ前に置いて一礼して入ります。
このとき扇子を前にすすめ、両手を畳について腰を浮かせるように軽くにじって入ります。席中に入ったら、扇子(扇子のかなめは右)をひざ前において正客に一礼してから床前に進みます。
床正面に座り、床の間の掛け物(掛け軸)・お花・花入れを拝見します。
床正面に座ったら、扇子をひざ前に置き、両手をついて一礼します。両手はついたままで、掛け軸の拝見をし、次に花入れが床柱に掛かってるときには、床柱に向けて扇子を置き、ひざも少しだけずらして、お花と花入れの拝見をします。
(花入れが掛け軸の前にあるときには、掛け軸を拝見後、そのまま花入れを拝見します)。拝見を終えたら、扇子とひざを元の位置(床の正面)に戻して一礼します。
扇子を右手に持って、左へひざを繰って立ち、道具畳にすすみます。道具畳にすすんだら、風炉の前に座り、扇子はひざ前においてお道具(風炉・釜)を拝見します。(このときお辞儀はしません)
拝見を終えたら、茶道口の前に戻って必ず畳の縁角(へりかど)を通って自分の席に戻って座ります。大人数の場合は直接席につくこともあります。
全員着座したら、亭主があいさつをします。あいさつを終えたら、扇子は体の後ろにかなめを下座に向けて置きます。正客の扇子のかなめは上座にむきます。
お菓子のいただき方
薄茶のお茶席の場合は主菓子につづいてお干菓子がでてきます。
客が揃って座ったら、亭主がお点前の前に主菓子を運んできます。主菓子器が正客の前に出されたら、正客は菓子器を正面をさけて、やや上座寄りにおきます。つづいてお干菓子が運ばれてきます。このときは正客は一礼します。
亭主がお点前をはじめて、茶せん通しが始まると、正客は菓子器からお菓子をとります。主菓子器を両手でとって畳の縁外、次客との間において、次客に「お先に」とあいさつして、ひざ前におきます。ひざ前においたら、そのまま菓子器を両手で軽く上げて畳の縁外へおいて、亭主に「お菓子をちょうだいいたします」とあいさつをします。
次に懐紙を取り出します。懐紙は和(折り目)が手前になるようにして、懐紙の一番外側を一枚、手前下から上に折り返していちばん上にのせます。(懐紙の裏面が表になります)。折った懐紙を畳の縁内ひざ前に置きます。
菓子器に添えられた黒文字(お箸)を、右手で上から取って、左手で下から添えるようにもち、右手に持ち直して、左手を菓子器に添えてお菓子を自分の分を懐紙に取り分けます。お菓子を懐紙にのせたら、お菓子をのせた懐紙の端で黒文字(お箸)の箸先を拭いて清め、菓子器に(元の位置に)戻します。黒文字(お箸)を元に戻したら、菓子器を隣の次の客の前に送ります。茶せんがはじまったらお菓子をいただきましょう。
正客は主菓子をとってまわしたあと、お干菓子器を畳の縁外、正面にとり、「お干菓子をちょうだいいたします」と亭主にあいさつをします。
主菓子をのせてある懐紙の上にお干菓子を手でとってのせます。干菓子器を次客に送ります。次客以下も同じように亭主にあいさつをしてお干菓子をとって送ります。
お干菓子は二服目を飲むときのためですが、二服目を飲まなくても、お干菓子はいただいてもいいんですよ。
また濃茶と薄茶をいただく場合は、濃茶には主菓子が、薄茶にはお干菓子がだされます。
お干菓子は一種類、二~三種類を盛った漆器の盆で運ばれてくるので、一種類ずつ手で取って懐紙にのせます。盛られた形を壊さないように向こうを取ってから手前を取ります(二種類の場合)。
主菓子は一服目のお茶のため、お干菓子は二服目のお茶のためですが、主菓子・お干菓子が同時に運ばれる場合もあります。そのときお干菓子は懐紙にのせて、膝横に置きます。(食べない場合は懐紙に包んで持って帰ります)。
薄茶のいただき方
亭主がお茶を点てて茶碗をさし出します。
替え茶碗があれば替え茶碗を持って道具畳近くまですすんで座ります。
座ったら持ってきたお茶碗を左ひざ頭前に仮置きし、差し出されたお茶碗を右手で取って左手にのせてあしらって、手前(時計まわり)に二回まわして右ひざ頭の前に置きます。
仮置きしたお茶碗を右手で取って左手にのせてあしらって、向こう側(時計の反対まわり)に二回まわして差し出されたお茶碗のあとにおきます。
右ひざ頭の前においてあるお茶碗を右手で持って、正客のほうに回るように右(上座)にひざを繰って立ち、自席に戻ってすわります。
茶碗をひざの前、畳の縁外置いて居ずまいをなおします。右手でお茶碗を持ち、左手であしらって右手で持ち直して、畳の縁内の自分と前(上座)の客との間に置いて、「もう一服いかがですか」と両手を畳について会釈します。
次に右手で茶碗を持って左手であしらって、右手に持ち直して自分と次客(下座)との間にお茶碗を置いて、「お先にちょうだいいたします」と両手を畳について会釈をします。
右手で茶碗を持って、左手であしらって右手に持ち直して、自分の正面の畳の縁内ひざ前にお茶碗を置いて亭主に「お点前ちょうだいいたします」と両手を畳についてお辞儀をします。
茶碗を右手で取って左手にのせ、あしらって右手を添えて、茶碗を軽くささげるようにあげます。
茶碗の正面をはずして向こう側に向くように、手前(時計回り)に二回まわして、お抹茶(薄茶)をいただきます。
二~三回で飲み終えたら、最後に「ズズ~ッ」と音をたてて残り全てを飲みきります。
(薄茶)飲みきったら、右手の指先で飲み口を左から右に軽く拭きます。拭いた右手の指先は懐紙で拭く。
ポイント
☆たてたお茶を取りに行く時、自分の背が自席を向くように座る。
茶碗の拝見
飲み終えたお茶碗は向こう側(時計と反対回り)に二回まわして、茶碗の正面を戻して畳の縁内ひざ正面に置きます。
茶碗の拝見です。両手を畳について、茶碗の右側・左側と茶碗の形や全体を拝見。次に両肘を両ひざにおいて、茶碗を手にとって軽く持ち上げて、茶碗を回しながら茶碗の外回り・高台・印などを拝見します。茶碗の正面を自分のひざ前においてもう一度、畳に両手をついて茶碗の右・左全体を拝見します。
お茶碗の拝見を終えたら、亭主にお茶碗を返します。お茶碗を持って道具畳近くへとすすんで座りまます。
右手で茶碗を持ち上げて左手の上にのせ、あしらって右手で反時計周りに二回まわして、ひざ前畳の縁外へ置きます。
正客が連客に十分いただいたかどうか尋ね、十分であれば亭主がお茶碗をゆすいで建水にお湯を捨てたときに「どうぞ、おしまいください」「どうぞ、おしまいを」と正客があいさつをします。
これを受けて亭主が左手にお茶碗を持ったまま受けて、茶碗をひざ前において改めて「おしまいいたします」「しまわさせていただきます」とあいさつ(一礼)します。これを受けて総礼をします。
ポイント
☆薄茶の場合は幾口飲んでもかまいません。
☆お茶碗をとり上げて見るときには高く持ち上げないように、低い位置で見るように。
濃茶のいただき方
まず、亭主が茶碗と出し帛紗を出しますので、正客がお茶をとりに出て行きます。
自席に戻り座ったら、ひざ前、畳の縁外の右よりにお茶碗を置きます。
左手の手のひらの出し帛紗を右手に持ち替えて茶碗の左側に置いて、居ずまいを直します。
正客が右手でお茶碗をとって、左手の手のひらにのせてあしらって、右手で畳の縁内、次客との間に茶碗をおきます。出し帛紗を右手で取って、左手に持ち替えお茶碗の左下座よりにおいて、「お先に」と一礼します。そのとき、お客(一碗で飲む人だけ)は総礼です。
正客がお茶を飲んでる間に、次客は三客に「お先にいただきます」と礼をします。
次客以下も同様で、前のお客が飲んでるときに、次の客に次礼をします。
正客が飲み終えたら次客へ送られます。
正客から次客へ送り礼をされるので、次客は受けて一礼します。
自分の席に茶碗が送られてきたら、右手でお茶碗をとり、左手にのせてあしらって右手でひざの前におきます。右手でふくさをとって、左手の平にのせて開きます。
ふくさの上に茶碗をのせて抹茶をいただきます。飲む量としては三口半くらいだそうです。(半というのは茶碗についてるお抹茶をすすることです。)
一口飲んだら、亭主から服加減のあいさつがあるのでこれを受ける。
「お服加減はいかがですか?」
飲み口にたまったお茶を吸いきったら、お茶碗を右手で、ひざ前の右に、出し帛紗を二つに折ってお茶碗の左側に置きます。
飲み終えたお茶碗は懐紙の一枚を四つ折りにして、角の和の部分で飲み口を拭き、一度拭いたところを折りなおして、別の新しい角できれいにふきます。さらに拭いて汚れた懐紙の角を折り込んで、別の角でもう一度飲み口を拭きます。お茶碗の飲み口を三回拭いて清めたら懐紙はたたみこんで右のたもとにいれます。洋服の場合は懐紙入れに入れたらいいですね。
お茶碗を右手で取り上げ、手前から向こう反時計回りに二回まわして正面を元に戻します。
お茶碗を右手で次客との間縁内に、出し帛紗を右手で取って、左手に渡しお茶碗の左横に並べて「お先に失礼いたしました」と次客へあいさつをし、次客もお辞儀をします。これを「送り礼」といいます。
次客が濃い茶を飲んでいる間に正客は茶名、詰を尋ねる。
末客 (まつきゃく)が喫みきると、右手で茶碗を膝前正面に置き、左手で出し服紗を二つ折りにして右手で茶碗の左に仮置きする。その時正客から茶碗の拝見のあいさつがあるので、末客はそれを受けて、茶碗の飲み口を茶巾で清め、正面に戻し、茶碗、帛紗と正客に返す。
正客は、末客より茶を喫み茶碗を下に置いた時、「お茶碗の拝見を」と請う。
正客は、末客より茶碗、帛紗が返ると帛紗を右膝横、縁内に仮置きし、次礼をし、まず茶碗を拝見して次客へ送り、つぎに帛紗を拝見して次客へ送る。次客以下順に拝見し、末客は出会いで茶碗と帛紗を正客に返す。
《茶碗が正客の右(自分の左)、帛紗が左(自分の右)》
正客は、再度拝見し、正面を正し、出された位置に返す。(帛紗のわさは茶碗と逆側)
茶筅を茶入の横に置き、茶碗を右手で取り、左手にのせ、正面を正し定座に出す。
(楽茶碗以外のものを使った時は、茶碗を出し、懐中の帛紗を右手で取り出し、左掌にのせ右手で扱って茶碗の下座に出す。)
ポイント、
☆濃茶の場合は「お二人さまでどうぞ」とか「五人さんでどうぞ」などと声をかけてくれます。一個の茶碗で飲む人数を教えてくれるので、人数を考慮して飲む量を考えてね。
運ばれてきたお茶碗が正面におかれたら、「〇〇人でどうぞ」と声をかけられます。正面に置かれた茶碗を畳の縁内に取り入れてあいさつをします。そのとき「〇〇人で」の飲み回す人数の人が一緒に畳に手をついてお辞儀をします。
☆送り礼は濃茶の飲み回しのときにだけします。
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