2016年10月12日水曜日

茶入の蓋に象牙を用いる意味、また蓋裏に金箔を貼る意味

茶入の蓋に象牙を用いる意味、また蓋裏に金箔を貼る意味をお教え下さい。


昔の中国の言い伝えに「象牙を毒物に近づけると自然に割れる」というのがありました。

実際に割れることはないと思いますが、そのために茶入の蓋に象牙を用いたという説があります。

実際、象牙の蓋の裏に金箔が貼られるのも、金箔と銀箔の両方とも毒気が近づくと箔が変色することから貼られていると文献にも出ております。

加えて、象牙の蓋は当時からとても貴重な品で、中国でもインドやタイなどから輸入しなければ手に入りませんでした。

そういうことで茶入の蓋には貴重な象牙を使い、なおかつ金箔・銀箔を貼ったのです。

蓋裏に銀箔が貼られた茶入は珍しいと思われるかもしれませんが、中興名物でいいますと、広沢手の茶入はそのようになっています。

これは、広沢の池は月が有名ですから、月を映すという意味から銀箔が貼られていると言われております。

広沢手の本歌は京都の北村美術館にあります。

0 件のコメント:

コメントを投稿