『表千家』相伝(初級・中級について)
まずはじめに、表千家は裏千家と違い、
相伝を初級・中級などといった形で分けていません。
ここで、一応初級・中級とレベル分けして書きますが、
あくまで参考程度にして頂けたらと思います。
初級
入門(にゅうもん)
茶道の基本となる歩き方、お辞儀の仕方、
そして割稽古などを学ぶことになります。
習事(ならいごと)
習事は『習事8箇条』から構成されています。
茶筅飾(ちゃせんかざり)
濃茶点前で、水指・茶入・茶碗・茶杓のいずれか1品が名物、
又は由緒ある品である場合にする点前。
台飾(だいかざり)
天目台を扱って、濃茶を客に出す点前。
組合点(くみあわせだて)
建水が名物、又は由緒ある品である場合にする点前。
仕組点(しぐみだて)
又の名を『老人点前』と呼び、道具を運ぶ手間を省いた濃茶点前。
長緒(ながお)
仕服の紐が非常に長いものを言い、
仕服の紐の扱い、そして平たい茶入れの扱いを稽古します。
盆香合(ぼんこうごう)
名物、または由緒ある香合を、盆にのせて扱う炭点前。
花所望(はなしょもう)
客に花を生けてもらう式方で、花入れが名物、
又は由緒ある品、あるいは客から花を頂いた場合に行います。
炭所望(すみしょもう)
炉の時期に、亭主の所望により客が炭点前をすることです。
中級
飾物(かざりもの)
飾物は『飾物5箇条』から構成されています。
軸飾
掛物が名物、又は由緒ある場合に行うものです。
壷飾
床へ茶壺を飾る式方です。
茶入飾
茶入が名物、又は由緒ある場合に行うものです。
茶碗飾
茶碗が名物、又は由緒ある場合に行うものです。
茶杓飾
茶杓が名物、又は由緒ある場合に行うものです。
茶通箱(さつうばこ)
桐製の箱に2種類のお茶を収め、
それぞれのお茶を客にもてなす点前。
費用について
茶道 基礎知識 所作
表千家では、相伝料を表向きに公表していません。
もちろん、ネットなどで『この相伝は、○円』
という情報は出ていますが、
あえて公表していないのには、
表千家の意向があってこそで、
正確な費用については、
先生に確かめるのが一番ということでしょう。
許状代・相伝代の納め方
裏千家、表千家共に、許状代は
師事する先生を通して家元へ納めることになります。
一般的に、熨斗袋に必要な金額を入れ、
表書きの書き方は『御許状代』・『相伝料』などになります。
さらに、先生へのお礼代を必要とする場合、
表書きを『御礼』とし、
『御礼』と書いた下の部分に、
ご自分の名前を書かれるのが一般的かと思われます。
しかしながら、やはり先生によって
指示する書き方は違ってくるかと思われます。
お礼代の有無や金額、表書きについても、
全てにおいて先生(又は、同じ社中の方)
に確かめるのは必須です。
資格としての扱い。
先にお話したように、
裏千家では『資格制度』を設けていますので、
履歴書の資格欄に、【平成○年○月 茶道裏千家 初級取得】
といった様に記載することが出来るかと思います。
ただし表千家に関しては、『資格』とはっきり明確にされるのは、
『資格者(表千家講師)』・『表千家教授』の資格を持つ人のみですので、
この資格を持っていない場合は、
資格欄に記載するのは避けた方が無難かもしれません。
お茶の世界は、普段の私たちの生活とはかけ離れている部分が多くあり、
分からないことだらけなのが、むしろ当たり前です。
しきたりや礼を重んじる世界ですし、茶道独特の決まり事も沢山ありますので、
分からないまま、自分なりに模索して行動するよりも、
先生に聞いてから行動することが、お茶の世界では大事かと思います。
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