なぜお家元の正月茶を、“初釜式”と称されるのでしょうか。
エッセイ『昨日のように今日があり』にもありますが、初釜式は宗家の咄々斎と名付けられた茶室で行います。
初釜式で濃茶を練らせていただくことは、浮つきがちになる日頃の視線をもう一度自分の源に向ける機会であります。
この場で点前座に向うとき、私はこれをもてなしとしてではなく、歴代宗匠方の前で今年初めての“亭主の稽古”をさせていただいているのだと思っています。
そして、その席にお招きした社中の方々には、“お客様役”を学んでいただいているのだと感じていただきたい。
つまり、共にこのひとときはお互いの“稽古始め”なのです。
それだからこそ、家元での正月茶を“初釜式”と言い慣わしているのです
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