2016年10月4日火曜日

裏千家 風炉薄茶運び点前


道具を運び出す


茶道口敷居から27cmほど開けて坐り、水指を膝より上、建付けに置き襖を開け、両手を揃えて一礼。(のおじぎ) 

両手の指をそろえて水指を持ち、(指先でハの字に持つ、重きを軽きに)右膝から立ち上がり、敷居を右足でこして、畳の中央を進み道具畳に入り、右足から水指を置く方へ少し寄りながら定座に座り、水指を畳中央と右の畳縁との中間に釜の中心と平行して置く。

さがる時は左膝から立ち上がり、敷合わせを左でこして、水屋にさがる。

次に棗を右手に持ち、茶碗を左手に(指先に力を入れ高台にかからないように)同時に持って運び、水指の正面に進んで坐り、同時に棗と茶碗を置き合わす。(二等辺三角形になるように)

次に建水を左手に持ち、(親指を茶碗の下方に入れ柄杓を親指と人差し指にはさむようする)畳中央に進み、定座に坐る。(手なりに建水を置く)(隣の畳のヘリのラインに坐る)

左手で柄杓の節の下を持ち、右手を添えて持ち直し、かまえる。⇒鏡柄杓という。
右手で建水の中の蓋置を取り、柄杓の内側を通り、取り出し、竹の節が正面になる様に、左から3号分あけて、敷板の左角に置き、柄杓を上から右手で持ち直し、
蓋置きの上に合をのせ、(柄杓の柄は左膝の前近くに向ける)コツンと音をたてる。(蓋置が竹の場合)柄杓を取る時、手首で固定する感じに)

左手で建水を膝前の線まで進め、居ずまいを正す。
 



棗と茶杓を清める


右手で茶碗の右手前を取り、左手で茶碗の左横を持ち、右手で右横を持ち替え、膝前中央の向こうに置く。
棗を取り(半月に持つ)、茶碗と膝の間に置く。

左手で腰の帛紗を取り
捌き(さばき)左手で棗を取り、甲を「こ」の字に拭き、帛紗を棗上で拡げ、向こうへつき、肘をはりながら横へぬき、棗を水指の前左寄り茶碗のあったあとへ置く。

帛紗を捌き直して左手に持ち、茶碗の外から右手で茶杓を取り、長いものを拭くような気持ちで三度拭き(かい先下げ、上、横、上、下、上、抜く)棗の上に置く。(かい先は上に向ける) 

右手で茶筅を取り、棗の右側に置き合わせ、茶碗を手前に移動。



茶筅通し


帛紗を折ったままの状態から、右親指を折り目の中に入れ、左手の人差し指と中指の間にはさみ、柄杓を右手で取り、左手で扱って、ふしを持ってかまえ、親指上のまま帛紗を釜の蓋におき、手を持ち替え、帛紗の角、対角線に持ち、蓋を掴み、蓋を後ろに切って、蓋置きの上に置き、 帛紗を横長方向に、建水のうしろに仮置きする。茶巾を取り、手なりに釜の蓋の上に置く。

柄杓を扱って(横にする)湯を汲み、茶碗に入れ、柄杓を釜の上にあずけ、置き柄杓(手なりに釜にのせ節下を親指と人差し指で上下から軽く摘む)をする。

右手で茶筅を取り、茶筅通し(
24cm、二度あげ、三度打ち、さらさら「の」の字)して、穂先を清め、茶筅を元の位置に戻す。(両手は「ハ」の字で膝に持ってくる)
茶碗を右手で取り、左手に持ち替え、建水に湯を捨てる。

茶巾を右手で取り、
手前で、茶巾を入れ、茶碗を大きく三回半拭き、(福だめをつまみ親指が茶碗の外側になるように茶巾にかけ、親指と人差し指でしっかり持ち三本の指を軽くまげ茶碗を回しながら行なう)手前へ持ってきて抜き取り、(人差し指が茶碗の底になるように入れ、向こう端手前三分の一折り返し、茶巾を持ち替えて(人差し指を親指で逆手に取り)「い」「り」という字に中を拭き、茶碗に茶巾を置き、
茶碗を下に、茶巾を釜の蓋の上に置く。正面が手前に来るよう、確認しながら、扱う。



薄茶を点てる


右手で茶杓を取り左手を畳に軽くおき、頭を下げ、「お菓子をどうぞ」とすすめる。
● 客はこれを受け、次礼をして菓子器をおしいただき、懐紙を出して菓子を懐紙にとり、次客に菓子器を送る。

(右に菓子があった時に礼、真中に移動しいただき左に移動する) 

亭主は左手で棗を取り、茶碗と左膝の間で、棗は動かさず、茶杓を横一のまま、右手で蓋を取って(手は半月)、右膝頭に置き、茶を二杓ほどすくい、茶碗に入れ、茶杓を茶碗の縁で軽く打ち、(中高に盛られた山を避け、くずさぬように「つ」の字を下に向かって、描くように)蓋をし棗と茶杓を元へ戻す。

右手で水指の蓋の摘みを取り、正面で、左手で横に持ち(8時の位置)立てて、右手で左手の上を持ち替え(10時の位置)、摘みが裏側になるようにして、水指の左横に置く。柄杓を持ち、湯を汲み、(右手で人差し指を中指で立てるように)5cm上から茶碗に入れ、残りを釜に返し、切り柄杓をする。 (手なりに柄杓を釜にのせ そのまま親指と人差し指が直角になるくらいに手を広げ、そのまま静かに親指で柄杓の柄をささえるようにして釜にあずける。)

切り柄杓のあと、その手で茶筅を取り、泡が細かく立つようにさらさらとふり「の」の字を書くように静かに引きあげ、茶を点て、茶筅は元の位置(水指の前)に戻す。茶碗を右手で取り左掌にのせ、茶碗の正面を客のほうへ向けてすすめるため、回して出す。縁から2号目分見えるよう、空けて茶碗を置く)
亭主は行のおじぎ。

客の一口で亭主は帛紗を右手で取り、左手に打ちかえして腰につける。




戻った茶碗を清める


亭主は茶碗が返ると、右手で取り、左手にのせ、右手で膝前に置き、湯を汲み、茶碗に入れ、置き柄杓(柄杓は手なりに釜にのせそのまま親指を柄の下にくぐらせ、右側に出し、節下を親指と人差し指で上下から軽く摘むようにして、静かに釜にあずける)する。

湯を建水に捨て、正客から挨拶があればこれを受ける。
● 正客は、ここで「おしまいください」という。

茶碗を右手で下に置き、「おしまいさせていただきます」と挨拶し、右手で柄杓を上から扱って取り、水を汲み茶碗に入れ、柄杓を釜にあずけ、引き柄杓する。(手なりに釜にのせ、節から手のみ2,3cm手前に引く。親指を左から大きく手前に回し、五本の指をそろえたまま、肘を張って引き、柄の端まで引く。最後に親指と人差し指で軽く輪を作るようにして釜にあずける)

茶筅通しをし、(一度あげ、二度打ち、(さらさらしてコツン、あげて、コツン、「の」の字)) 
茶筅を水指の前に置く。建水に水を捨てる。




茶杓を清める

右手で茶巾を取って、茶碗に置く。茶筅を取り、茶碗にとじ目を上にして入れ、右手で茶杓を取り、左手で建水を後ろに引いて、帛紗を捌いて、茶杓を二度拭いて、茶碗にふせて置き、帛紗を左手でにぎりこんだまま、右手で茶碗の右横に持ち、少し左のほうに寄せ、棗を右手で茶碗に置き合わせる。(中じまい)

帛紗の茶粉を建水の上で払い、腰につけ、柄杓を扱って、水指から水を汲む。
(上から握りこんで取り手で柄を滑らせ、親指と人差し指で摘むようにする)5cm上から、釜に水を一杓さし、左手に柄杓を持ち、釜の蓋を向こう側に切って、閉める。柄杓を蓋置の上に置き、水指の蓋を三手で閉める。(右手で10時の位置、左手で8時の位置)



棗と茶杓を拝見に出す

この時、正客から「お棗、お茶杓拝見を」の挨拶があれば受ける。

柄杓を右手で取り、左掌で受け取る様に下から、持ち替え、建水にたたみ(ふせる)蓋置を右手で取り左手で持ち替え、建水のうしろに置く。(一文字に)


茶碗、右一手(右→左掌→右)で勝手付きに割り付け、棗を取り左手にのせ、客付きに回る。畳、内側の角に向けて、対角線に座る。畳のヘリ横に、左膝が来る。(右に身体をずらす)棗を膝前に置き、帛紗を捌いて清め、蓋裏をしらべ、蓋を膝前に置き、棗の口を向こう、手前と帛紗で清める。帛紗を握りこみ、中指、人差し指で、蓋を閉め、帛紗を棗の側面で整え、膝前に置き棗の正面を正し(時計回りに側面を持って、回す)右手で半月の手で出す。
 帛紗を腰につけ、居前に回り(正面にむく)、右手で茶杓の先を取り、その上を左手に持たせ、客付きに回り、右手でその上を持ち(右手首を左の茶杓を持つ手にかぶせるような形にする)棗の右に縦に置く。「01」〔1が茶杓で0が棗〕棗ひとつ分、茶杓との間空ける。茶杓は、2合分、空ける。

柄杓を左手で取り、一度立てて、右手で横にして、右手に持たせ、
(横にし、節あたりに右手をかぶせる)左手で蓋置を取り右手の親指、人差指、中指の三本で持ち、一膝分、勝手付きにずれて向き、建水を持ち、
左足を立て、立ち上がり、敷合わせ、左足でこえてさがる。



道具を下げる


茶碗を右手で取り、左掌にのせ、さがる。
続いて、水指正面に坐り、水指を引き、襖を閉め、拝見の返るのを水屋で待つ。

亭主は茶道口(水屋の入口)にいったん坐り、席中をうかがい、道具正面に坐り、  
「棗のお形は?」「お塗りは?」「茶杓のお作は?」「ご名は?」などの問いに
「棗は中棗でございます。」「中村そうてつで、ございます。」
「杓は大得寺or利休で、ございます。」「紅葉でございます」などと答えて、
「いずれもありがとうございました。」挨拶し、
おじぎの後すぐに左手を膝に、右手は棗を取り左掌にのせて、右手で茶杓を取る。

持ってさがり、茶道口に坐り、
膝より上に、棗を身体近くに置き、茶杓を建付に置き「10」一礼して襖を閉める。


【客の所作】

客は建水が引かれると棗、茶杓(一つずつ、下げ帰る)と出された順序に引く。「01」

正客は一旦、棗、茶杓の左右を変えて、「01」で縁内右膝の方に置き、亭主が水屋に入ってから、 
次客に『お先に』と挨拶し、棗から拝見します。棗を縁外に置き全体をみて、蓋を開け、中を拝見する。蓋をして縁内で次客に送る。
 次に茶杓を拝見する。茶杓を縁外に置き全体をみて、手にとって拝見する。(節より上を持たないこと)縁内で次客に送る。 客一同、同様に拝見する。
一同拝見がすめば詰は、「10 」の置き方で縁内左膝に置く→  
正客と出会いで、正客は棗、茶杓をあらため、出された位置に返します。
 
(正客から見て10)

道具(棗、茶杓)が返ると亭主が挨拶に出られ、道具を持帰られ、亭主は茶道口で、客一同総礼します。
客は あらためて、床、道具など拝見し、順次退席します。




注意点 

- 水指、棗と茶碗、帯締めの高さに持つ。茶碗より棗の方が棗の蓋分だけ高くなるように。

- 棗を拭くときの、帛紗の向きに注意。

- 柄杓の節の下を持つ。
柄杓を持つ時人差し指なるべくまっすぐ。

- 帛紗を建水のうしろに仮置きした後、茶巾を手なりに蓋の上に。

- 濃茶・薄茶共風炉のお点前では(柄杓を用いる場合は全て)抹茶を入れた後は水指の蓋を開けておく。

- 釜の蓋閉めた後、続けて水差しの蓋も閉める。

- 風炉の時期、本勝手のお茶室であれば、通常、点前座の右に水指、左に風炉を置きます。
小間(四畳半以下)の小間の席、台子や長板などの棚を使った場合、逆勝手の場合、本じまい。
広間(四畳半以上・つまり、四畳半は小間であり広間でもある)の場合、本じまい、中じまい、両方することができる。席主の判断による。

- 中じまいー 茶杓を拭いて棗と茶碗を置きあわせてから帛紗をはたく

  本じまいー 茶杓を拭いて茶碗に伏せるとすぐに帛紗を建水の上で払い、帯につける。


- 茶碗の移動は、自分の前を横切る時は、三手で移動させる。

- 茶杓は、先を握り、櫂先を下げて持つ

-右手で棗を取る時、人差し指伸ばして半月

- 茶碗持つ時、左手親指揃える。

-お棗は、いつも膝に近い方に置く。

-お道具置くとき、取るとき、一度きちんと座ってから置く。

- 茶碗、蓋など必ず、手前で、持ち替える。

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